現代ポートフォリオ理論は、現代に通用するか

いまの投資理論を支えるものは「現代ポートフォリオ理論」と呼ばれる理論体系です。

証券アナリスト試験は3つの科目があるのですが、その中でも大きなウェイトを占めるのが「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」です。これは現代ポートフォリオ理論の知識が問われる科目です。

アナリスト、エコノミスト、ストラテジストといった人々の多くは証券アナリスト試験に合格しているので、彼らが投資について語るときの共通言語は、現代ポートフォリオ理論といっていいでしょう。

今回は投資理論についてです。


現代ポートフォリオ理論


現代ポートフォリオ理論のポイントは、分散投資によるリスク低減効果と、そこから派生したCAPMという資本資産価格モデル(capital asset pricing model)です。どうやってポートフォリオを作ればいいか、どうやって個別証券の価格を評価したらいいかという理論です。

時代は1952年です。ハリー・マーコヴィッツ氏がジャーナル・オブ・ファイナンスという専門雑誌に「ポートフォリオ選択」という論文を発表したのが始まりです。そこから1964年のウィリアム・シャープ氏のCAPMへとつながっていくわけですが・・・

そういう話は長くなるのでここまでにします。

ポイントは、現代ポートフォリオ理論は50年以上前に基礎ができた理論だということです。


理論の発展


過去に作られた理論は、それ自身は色あせないとしても、修正や上乗せが必要になることもあります。

たとえば、物理学の世界では、ニュートン力学はアインシュタインの相対性理論で修正され、さらに量子力学も上乗せされています。理論を積み重ねていくことでより深い理解が進みます。

さて、投資の理論はどうでしょう。

社会科学と自然科学の違いということもあるのですが、物理学と比較して、投資の科学はあまり積み重ねが進んでいないように思えます。(理論を積み重ねるのが難しい分野ですから)

現代ポートフォリオ理論は、「リスクが正規分布する」という仮定のもとで理論を作ってきました。平常時にはそれでいいんですけど、非常時にはその理論は当てはまらなくなります。ブラックスワンとか、ファットテールとか、経済物理学とか、そういう分野です。

リスクは正規分布じゃないから非常時には使えないと知りつつ、だましだまし50年以上も現代ポートフォリオ理論を使っているという感じです。よりよい理論がないからです。


古き良き時代


以下の図はMSCI Worldという先進国の株価指数(USドル建て)です。

128_MSCI.png


これをみると、1990年代までは順調に右肩上がりです。1950年、1960年代にできた投資理論は、市場の右肩上がりとともに、ポートフォリオ論、資産価格モデル、デリバティブの価格評価モデル、企業価値評価モデルと広がっていきました。

で、2000年からは、1950年-1990年代とは違った市場環境です。

21世紀の投資の世界に1950年代にできた理論や考え方がそのまま通用するか?

う~ん、どうなんでしょう。

新・現代ポートフォリオ理論や、新しい投資の考え方で修正や上乗せが必要な時期に来てるのかもしれませんね。

参考過去記事
長期投資はリスクを大きくします
分散投資の考え方(1) 確率論
分散投資の考え方(2) 現代ポートフォリオ理論

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112:

こういうグラフを見ると、投資による複利効果ということを疑問に思います。
上がるとは思うのですよ。でも、長期で見るなら指数的というより比例的な上昇なのではないかとも。どうなんでしょうね。

2015.03.18 23:13 煙々 #RaJW5m0Q URL[EDIT]
113:

私も常々、不思議に思っています。
資格を持ったFPさんが『私は○○をコアにしています。基準価額は一切気にせず、毎月一定額を買い足していくのみです。定期預金と同じ感覚で、現金が必要になった際は取り崩すだけです』と自信満々に書かれていて、そのコメント欄に『わかりました!私もそうします!』のようなのがズラズラと並んでいるのを見ると、とても複雑な気持ちになるんですね。
万が一の時、FPさんはきちんと売り抜いて、真似をした人は置いてきぼりになるんじゃないかと…(-_-;)

ニッセイ日経225をスポット的に購入しているのですが、基準価額がひと月足らずで1,000円以上上がりました。
バランス型ファンドをコツコツと積み上げている者からすると、『な、なんだこれは!?』という感じです(笑)
上手く利確できるタイミングを、素人ながらに毎日計っています(笑)
(日経平均が2万円を越えるまではガンガン買い足してもいいのかしら??)

1月に全解約した毎月分配型も然り。
購入して半年で基準価額が1,000円以上上がったのと、分配金を今もらうより老後に向けて貯めたいんだけどなぁ~という思いから、N村の担当さんの制止を振り切って(笑)解約しました。
昨日、久々に調べてみたら、
あれ?ものすごーく下がってるし?
私が買った時より下がってるぞ?
でも、投資主婦ブログでは
『下がってます!買い時です!!』
の声が高らかだし。
不思議だわ( ̄▽ ̄;)

私はとら様の教えの通り、売り時を見据えつつ、コツコツいきたいと思います。
とら様、ニッセイ日経225、まだまだ買い足しても大丈夫でしょうか?(笑)

2015.03.19 07:42 みみん #yLibkmaY URL[EDIT]
114:

※112:煙々さん
そうですね。指数的というより比例的な上昇で、つまり複利よりは単利で見ていた方がいいと思います。
定期預金の元加継続なら複利の概念は有効ですが、それでも長くて10年ですよね。それ以上の期間での複利計算は、あまり意味がないと思っています。20年も30年も、ずっと同じ利率で運用(あるいは成長)できると仮定するのはちょっと無理があると思ってます。

2015.03.19 17:29 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]
115:

※113:みみんさん
>万が一の時、FPさんは…
すみません、不謹慎ながらちょっと笑っちゃいました。

株の見方は、正直なところいまちょっと難しい局面だと思ってます。米国の利上げ時期がどうなるかで、市場が飛びやすくなっていますので、リスクが高まっている状況です。

日本は賃上げも実現してきてますし、為替は基本的には円安だと思いますし、悪くない状況です。20,000円は行くかなとは思っていますが、この先の上昇余地と、短期的なリスクの高まりのバランスからすると、あまりリスクを高めない方がいい局面かなと思ってます。私はちょっと警戒的ですし、最近は少し売ってます。(あくまで上がった分のポジション調整ですが)

警戒心を持って上値を期待してるって感じです。

2015.03.19 17:48 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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