円大暴落で、「1ドル 1,000円になったら」どうなるかを考えました

円の信認が失墜し、国債は大暴落、ハイパーインフレが来て強烈な物価高になって、もちろん円も大暴落。こういうストーリーを見かけます。

そこで今回は、戦後の1ドル360円を超えて、「1ドル1,000円になったらどうなるか」を考えてみました。

米ドルだけでなく、すべての通貨に対して円が10分の1になった世界です。


輸入インフレ


ざっくりなので、いま1ドルを100円として、円の暴落後は1ドル1,000円としましょう。

米国産の牛肉1ドル分は、これまで100円で買えていたのが、暴落後は1,000円出さないと買えなくなります。アメリカに旅行に行って10ドルのランチを食べたら、いまは1,000円ですが暴落後は10,000円です。

輸入物価は上がりますし、海外旅行にお金がかかります。国際的に円の購買力が低下するからです。

米国産牛肉だけでなく、オージービーフも10倍、中国から輸入する餃子も10倍です。

写真は一泊5,000円で泊まれる海外のホテルです。これは一泊50,000円になります。

インフレ 小黒とら

厳しいですね。


見落としていること


1ドル1,000円になると、輸入物価が上がるので牛丼も数千円になるでしょうし、マクドナルドのハンバーガーも、サブウェイのサンドイッチも高くなるでしょう。中国からの冷凍食材も高騰します。

給料は増えないのに、物価だけ高くなってどうなるの・・・

と思うかもしれません。

でも、円安にはメリットもあります。

中国の上海では、最低賃金は月1,820元(いまのレートで約35,000円)です。時給ベースでは17元(同320円)です。

円が暴落して1ドル1,000円になる(通貨価値が10分の1になる)ことは、中国元や他の通貨に対しても起きる「円全面安」ですから、1人民元が19円から190円になります。

そうすると、上海の最低賃金は、時給ベースで17元で変わらないとして、それまでは320円で雇えたのが、円の暴落後は3,200円になるわけです。

中国人労働者の時給が3,200円。月額の最低賃金なら350,000円です。

雇いますか?


製造業の国内回帰


日本企業としては、中国やASEANの工場で現地の従業員を雇ってモノを作るよりは、日本で作った方が安いでしょう。

というわけで、国内の雇用が増えるわけです。製造業の国内回帰ですね。国内で工場を作るので国内の設備投資も増えるでしょう。いいことです。

そうして海外にどんどん売ればいいんです。製造は国内、販売市場は海外。そうすると外貨がガッツリ稼げます。外貨は1ドル1,000円で円転できるので儲かっちゃいます。


円の暴落が起きないわけ


実際には円の暴落は起きないでしょう。1ドル1,000円はおろか、360円も無理でしょう。

日本は対外黒字国であって、基本的にはドル余剰だからです。実需の外貨決済では、常にドル売り・円買いの圧力があります。だから世界的な金融ショックがあると安全な円が買われるわけです。

1ドル1,000円になれば国際的な労働コストのバランスが変わります。製造業は「海外の高い人件費」では、やっていけなくなります。

1ドル1,000円になれば、ですけどね。

国際的な労働市場や日本の輸出入のバランスなどを考えたら、日銀が国債をたくさん買うといずれ円が大暴落するという説は、ちょっとどうかな・・・そんなに単純な話じゃないでしょうという気がします。

経済は柔軟にバランスを取ろうとします。日本の国際収支をみると1ドル1,000円は夢物語でしょうね。

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