個人の金融資産は1,645兆円 大半は60歳以上のシニア層が持っています

日本の個人金融資産は1,500兆円とも1,600兆円ともいわれています。この数字は日本銀行の「資金循環統計」で確認できます。

日本銀行の資金循環統計(2014年6月速報値)によると、個人は1,645兆円の金融資産を持っています。その内訳をみると874億円は現預金です。リスク性の資産である投資信託と株式は、それぞれ82兆円と86兆円となっています。それと普段はあまり意識しないのですが、個人金融資産には441兆円の保険・年金準備金が含まれています 。

個人の金融資産
(日本銀行「資金循環統計(2014.9)」をもとに作成)

個人の金融資産は1,600兆円以上もあるのですが、355兆円の負債もあります。302億円の貸出(個人からすると借入)のうち196兆円は住宅ローンです。資産から負債を引いた個人の純資産は1,290兆円になります。

個人は巨額の金融資産を持っていることがわかります。


年代別にみた貯蓄額


個人金融資産1,600兆円のうち、その多くを60歳以上のシニア世代が保有しているといわれています。実際どうなのか、総務省の「家計調査」(2014年6月)で年代別の貯蓄状況を見てみましょう。具体的なデータはこちら→[数値データ]


□世帯主年齢別の構成比率
個人の金融資産 年代別

世帯主が60代と70歳以上の比率は49.4%となります。貯蓄額がシニア世代に多いのは、もともと世帯数が多いことも影響しています。


□世帯主年齢層別の平均貯蓄額
個人の金融資産 年代別

年代が上がるにつれて貯蓄額も増えていることがわかります。60代が最も多くて一世帯当たり2,500万円の貯蓄があります。20代、30代の貯蓄が少ないのは、これから積み上げていく世代だからです。40代では1,000万円、50代では1,500万円を超えたあたりが平均的な貯蓄額になっています。

60代で貯蓄が多いのは退職金が入るからでしょうし、70歳から貯蓄が減るのはそれまでに積み上げたものを取り崩していくからです。

定年まで貯蓄を積み上げて、その後は徐々に取り崩していくのが通常のパターンです。


□年齢層別の世帯数×平均貯蓄額
個人の金融資産 年代別

60歳以上の世帯は、世帯数も多いし貯蓄額も多いので、年齢層別に見ると60歳以上のシニア層に貯蓄が集中しています。60代と70歳以上の世帯を合わせると、全体の68.2%の貯蓄を保有しています。

個人金融資産1,600兆円のうち、その多くを60歳以上のシニア世代が保有しているといわれる根拠は、このデータです。


ここまでですと、普通の説明なのであまり面白くありません。

興味深いのは次のデータからです。


□年齢層別の平均貯蓄額と負債額
個人の金融資産 年代別

住宅ローンや消費者ローン、教育ローンなどで借金を持っている人は多いはずです。その負債額も考慮したのが上の図です。これをみると、30代までは借金が貯蓄を上回る債務超過で、40代でどうにかトントン、50代からようやく貯蓄超過になります。60代では住宅ローンもほとんど返し終えるでしょうから、借金が大きく減っています。

個人の金融資産 年代別

貯蓄から負債を引いた純貯蓄です。これをみると、純貯蓄を持っているのは50代からということになります。


□年齢層別の純貯蓄の構成比
個人の金融資産 年代別

どの世代がどのくらいの純貯蓄を持っているかを示したものです。20代と30代は債務超過で純貯蓄がマイナスのため、円グラフでは表せません。そのため積み上げ式の棒グラフにしました。

衝撃的な事実ですが、60代と70歳以上の世帯の合計で、純貯蓄の90.6%を占めます。

リタイア後のシニア層が、日本の純貯蓄の9割以上を持っているということです。


なかなか預金から投資に回らない


日本の個人金融資産は膨大ですが、そのほとんどは60歳以上の退職したシニア層が持っています。

だから、いくら政府が「貯蓄から投資へ」と投資を奨励しても、なかなか預金から投資信託や株式に回らないのです。リスクを取るべきでない層に資金が偏っているからです。退職までの時間が長く、労働による収入もあってリスク許容度が高い20代や30代、40代には投資に回せるお金が少ないのです。

リスクを取れない層にお金があり、リスクを取れる層にはお金がない。

それが金融の目詰まりを起こしている一つの要因でもあり、不健全な投資信託が人気を集める要因にもなっていると考えます。

高齢者にはご自身の資産を防衛する「守りの金融知識」が必要ですし、若い方には老後の資金を自分で確保していくための「攻めの金融知識」が必要です。

金融知識、金融リテラシーについて、このブログでいろいろ書いていこうと思っています。

 
3143:

日本の資産は、元は国家の政策の恩恵で受けて築き上げたものでもあるので、戦後の良い時代に働いた60歳以上の人達は、資産を築き上げる事は、今より容易であった事を考えると、資産の保有年齢や制限を設けるべきである。
 80歳超えた人が資産を保有してどうするのか?
ある一定の年齢を超えた時点で、資産保有が制限されて、
それ額を超えた資産は、国へ返還するようにしなければ、
老人ばかり資産を保有し、労働世代は、住宅ローン・厚生年金等々、支払うものばかり多くて資産形成にならんし、その資産も老後には社会背景が異なる可能性もあるので、大幅目減りしている可能性も大きい。
 生きた時代で、大きな不公平が生じて、、さらに老人は長生きするんで、60歳以下の年齢層は資産を保有する為には、高収入か親からの相続がなければ資産を保有できなくなる。
 

2017.03.21 16:09 匿名 #- URL[EDIT]
3144:

※3143:匿名さん
コメントありがとうございます。
戦中、戦後すぐの世代と高度成長期を謳歌した世代と、ポストバブル世代では経済環境も大きく違うでしょうね。

2017.03.23 23:44 小黒とら #j72wRO66 URL[EDIT]

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