2015年10月 の記事一覧

高コストの投信はダメ、低コストの投信がいいというのは誤解では?

低コストの投信を選ぶのがいい。

初心者向けの本やウェブ記事では定番のアドバイスです。

期待リターンとリスクが同じファンドの中から選ぶなら、低コストの投信がいいというアドバイスに同意します。ただ、やみくもに低コストの投信がいいとは言えないと思います。

今回は、コストとリターンの関係について


対象を広げたとき


同じリスク・リターンが期待できるファンドの中から選ぶなら、低コストの投信を選ぶのがいい。それは合理的な考え方です。

でもね、と。

日本には5,000本もの投信があります。その中から選ぶとき、低コストの投信の中から選びましょうとか、高コストの投信は投資しちゃいけません、というのは的確なアドバイスとは言えないでしょう。

あ、

誤解の無いように言っておくと、私は高コストの投信がいいと主張するつもりはありません。でも、低コストだからいいとも思ってません。


実際に見てみましょう


長期投資を想定して過去10年のデータで見ましょう。

追加型投信で10年以上のトラックレコードのある1,072ファンドが対象です。およそ5,000のファンドを対象にして、10年のデータが取れたのが1,072ファンドだったので、網羅性は十分でしょう。

結果は以下です。

投信のコスト 小黒とら

横軸が実質の信託報酬料率、縦軸が年率のリターンです。リターンは基準価額ベースなのでコストを負担した値です。

これを見ると、

コストとリターンの間には、なんも関係ないよね。

という結果です。


過去5年で見ると


過去5年で見ても同じです。こちらはファンド数が2,307本です。

投信のコスト 小黒とら

こっちも

コストとリターンの間には、なんも関係ないよね。

という結果です。


どう考えるべきか


少なくとも上の2つの結果からは、コストとリターンの間には関係がないと言えます。

高コストの投信を選んだらダメなわけでも、低コストの投信を選んだらいい結果が得られるわけでもありません。

高ければ悪い、低ければ良いとは決められないってことです。

くどいようですが・・・

私が言いたいのは、「高コストだから悪いとは決めつけられない」ということです。高コストがいいと言っているわけではありません。

コストの高低とリターンの高低には相関関係がないんだから、両者を関連付けて話をしてもあまり意味がないでしょう。


投資するなら


人によって考え方は違うと思いますが、

私は、
1. いま投資するのにいい時期なのか、投資を減らす時期か(タイミング)
2. どれに投資するのがいいか、どれを優先的に売るか(投資対象の選択)

に気を配ります。

コストは・・・

正直なところ、あまり気にかけません。

無駄なコストは払いたくありませんが、コストを最優先することで投資判断が影響を受けるのは避けたいんです。


まとめ、のようなもの


同じリスク・リターン特性のファンドの中から選ぶなら、コスト優先でいいんだと思います。

でも、投資対象を広げて、リスク・リターン特性の異なるファンドの中から選ぶときは、それほどコストに囚われなくていいんじゃないかなーと思います。

少なくとも、過去のデータ(2つのスナップショットだけですけど)を見る限り、コストとリターンの間には関係は見られなかったのですから、コストに見合うリターンが得られそうなら投資してもいいんじゃないでしょうか。

で、誤解の無いように・・・

私は全体として高コストの投信を擁護したり、すすめたりしているのではありません。

高コストの投信を書類選考で落とさないで、ちゃんと中身を見てあげたら、ってことです。意外にいいものもあるかもしれません。

あまりうまい例えじゃないかな・・・ (^^;

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夜明け前が一番眠い

相場の格言では「夜明け前が一番暗い」ですけど

私は「夜明け前が一番眠い」です。

今回も息抜きのお話です。


いまの時期から2か月くらいがつらい


気がつくと日が昇るのが遅くなり、夕方がすごく早くなりました。

秋の夜長は、夕暮れが短いことの裏返しなんですよね。だから秋の夕暮れは貴重です。

秋は夕暮。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
(枕草子)

もうすぐ11月なので秋も終盤戦ですが、秋の夜。虫の音はいいですよね。


風の音、虫の音


風の音とか、虫の音とか、あとは雨音とかもそうです。

そういう自然の音をしみじみと感じることができるのは、日本人とポリネシア人くらいだそうです。

鈴虫や松虫の音を日本人は左脳で認識するそうです。左脳は言語をつかさどると言われていて、日本人は虫の音や自然の音を言語的にとらえます。虫や自然から寄せられる「声」として認識すると考えればいいんでしょうね。

一方、外国人は右脳で認識するそうです。右脳は非言語的な認識なので、虫や自然の音をまさに「音」として認識するんですね。楽器の音や雑音と同じように脳内で処理されるということです。

東京医科歯科大学の角田忠信教授の研究です。


自然の音を声として認識できるのはうれしいこと


虫や自然の音を「声」として認識するから、感情移入しやすいんだと思います。

だから日本人は自然に敏感なのかもしれません。

花鳥風月を季節のときどきで愛でることができるのはいいことですね。

ということで、とりとめのないお話でした。

それではよい週末を!

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木曜日に本屋へ出かけ まひるの散歩を買ってきた 

ロシア民謡の「一週間」をパクったタイトルにしました。

日曜日に市場に出かけ、糸と麻を買ってきたー
オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オリャリャー
なんや、ワレ!

って歌です。

今回は、悠々自適な息抜きのお話です。


買おうとした本は見当たらず


ある方から、おすすめの本を紹介していただきました。

で、さっそく身近な本屋さんに行ったんですが、お目当ての本はありませんでした。そこで同じ作者の別の本を買ったのです。

それが「まひるの散歩」、角田光代さんのエッセイ本です。

読み始めると、うんうん、そうだよねーとか、ほう、そうなんですか、と思えるところが出てきて、こりゃ結構楽しい。紹介された本とは違いますが、こっちを読み終わったら次はお目当ての本だなーと楽しみが広がります。

私の行きつけの本屋は3件あるので、別の本屋さんに行けばきっとあるでしょう。


メニュウと世代


メニュウと世代は、「まひるの散歩」にあるエッセイのタイトルです。

角田さんは、最近の若い男性は優柔不断だというTV番組を取り上げて、

「なんで車も持ってないのにデートに誘うわけ?」と、「女」の方に強くなる女性もいれば
「なんでいつもデートコースを勝手に決めるわけ? 私が決める」と、「男」の方に強くなる女性もいた

と、この20年で女性が強くなったことを書いてます。

で、強い女性が母となり息子を育てれば、そりゃ男の子が「決めなくていい」と思うようになるでしょうね、って感じのエッセイです。


昔は男が決めていた


角田さんと同世代の40代後半くらいの男性は、若いころのデートで男が何でも決めていた世代としています。

表面的にはそうかもしれないけど、実際はどうなのよ・・・というのはさておき、

そういう男が何でも決めていた世代の男性は・・・

「若いお嬢さんにもてている」

んだそうです。


なるほど、決断力か・・・


決めない男の子にうんざりした若い女の子は、決める男になびいてしまうとのこと。

なるほど・・・ 決断力ですね。

ん?でもちょっと待って、と。

ただ単に決めりゃぁいいんじゃないでしょうね・・・

女性の決めて欲しい方に決めるっていうアクロバットが必要な気がします。

オンナごころを読むのは相場を読むより難しいんじゃないでしょうかねー。(^^;;

なんてことを思いながら読んでます。

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コスト至上主義の最適解について

「買うと失敗する投資信託は?」という記事がありました。[外部記事]

投資信託の選び方の記事なんですけど、ちょっとしたところに引っかかってます。

ん~

今回は、コスト至上主義について


コストが低い方がいい?


冒頭の記事では投資信託の選び方として、真っ先に

「ファンドそのものの良しあしではなく、まずはコストが幾ら掛かるのかを考えることです」

とアドバイスしてます。

う~ん、どうなんでしょう・・・

私なら、そういうアドバイスはしないなー、というのが率直なところです。

原則論を言えばコストは低い方がいいです。当然ながら。

でもね。

コスト最優先で考えると、見落とすものもあるでしょう。


本当に気にするべきなのは


投資で本当に気にすべきなのは何なのか、それを考えてみましょう。

コストですか?

0.01%でも、コストが低いのがいい投資信託ですか?

私は、そうじゃなくて

「コスト控除後のリターンが高いファンド」が、いいファンドだと思います。

正確に言うと、「リスクあたりで」コスト控除後のリターンが高いファンドです。事前には分からないのですが、理念的にはそうです。


3つの要素を考えましょうよ


投資においてコストは大事で、それを否定するつもりはありません。その点、誤解のないようにお願いします。

私が言いたいのは、コストも大事なんですけど、リターンもリスクも大事でしょ、ってことです。

リターンとリスクは予測できないから、唯一管理できるコストに目を向ける。それは発想としては理解できますけどね。

でもね、と。

コストを重視しすぎると、選択肢を極端に狭めちゃいませんか?

コストに目を向けるのは大事ですが、リターン、リスク、コストの3要素でファンドの良しあしって決まるんじゃないでしょうか。高コストの投信を擁護する意図ではなく、ファンドを選ぶならバランスよく考慮した方がいいってことです。


ちょっとしたおまけ


極論の二者択一で意思決定の問題を考えましょう。何を目的関数にするかです。

1. コスト控除後のリターンの最大化
2. コストの最小化

どちらもリスクは許容範囲内とします。

世の中には、「1」の人もいれば、「2」の人もいますよね。あなたはどちらですか?

ちなみに、私は「1」です。

リターンは大事です。だから漠然とでもコスト控除後のリターンを予測します。それでプラスと想定するから投資するんです。マイナスになると思えば投資しません。

それで、ね。

「2」のコスト最小化、コスト至上主義なら、「投資額ゼロ」が最適解です。(^^;

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長期投資を「見える化」してみました 期待値と中央値と最頻値

長期投資はリスク軽減になるのか、それともリスクを高めるのか。

金融商品を売る側は、長期投資はリスクを軽減しますと言ってますが・・・

実際どうなのか見てみましょう。

今回は、長期投資の見える化について


長期投資はリスクを軽減する?


長期投資でリスクは増加します。

直感的にもそうでしょう。

明日の株価はせいぜい数パーセントの動きに収まるでしょうけど、この先30年間の間にはいろんなことが起きます。日経平均がまた1万円割れになるかもしれませんし、4万円を付けるかもしれません。

長期投資になればなるほど、出来上がりのブレは大きくなります。

長期投資でリスクが減るという説は、年あたりで見るか、累積したときに最大、最小値がある範囲に収斂するかのお話であって、投資家にとってはそれほど意味のある話ではありません。

だって、絶対水準で見れば、長期になるほどブレは大きくなるのですから。


長期投資の「見える化」


具体的に見たほうが早いですね。

投資期間を10年、20年、30年としたときの、資産価値を分布で表現します。前提としては、期待収益率が5%、リスクは20%。投資元本は100万円です。

投資期間10年の分布です。

長期投資 小黒とら


投資期間20年の分布です。

長期投資 小黒とら


投資期間30年の分布です。

長期投資 小黒とら

横軸は資産価格(万円)、縦軸は起こりうる可能性の高さです。

赤線はそれぞれの「期待値」です。

10年は、期待値165万円、中央値135万円、最頻値105万円
20年は、期待値272万円、中央値182万円、最頻値95万円
30年は、期待値448万円、中央値245万円、最頻値95万円

投資期間が長くなると、期待値は中央値や最頻値との乖離が大きくなります。


長期投資の「最頻値」


分布のピークがどこにあるのか。それが最頻値です。

最頻値は10万円単位で区切りました。

最頻値の105万円とは、100万円を超えて110万円以下になる結果が、一番多かったということです。

少し詳細に見てみると

10年は、最頻値105万円(5.6%の生起確率)
20年は、最頻値95万円(3.7%の生起確率)
30年は、最頻値95万円(2.8%の生起確率)

30年投資しても、往って来いの結果に落ち着くのが、一番あり得るという意外な結果です。


長期投資をどう考えるか


長期投資をすると・・・

期待値は大きくなるのですが、リスクも大きくなります。しかも、分布が幅広になるので、結局、どこに落ちるのかはまったく分からなくなります。

投資期間30年の分布をみると、純粋に確率論から言うと、

どの値が出てもおかしくない

と言えます。

長期投資だから、期待値が大きくなって多少のブレでも安心・・・って、そう簡単な話じゃないと思うのです。理論的な分布を見る限りは。

30年の投資を1セットにして、1万回とか、10万回とか、何回もトライすれば、最終的な結果は「期待値」に近づくんですけどねー

そうするには、30万年から300万年が必要です。(^^;

一発勝負の場合、あまり「期待値」を期待しない方がいいでしょうね。

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モミジバフウ

モミジバフウの写真を撮りました。

374_ogurotora.jpg

モミジバフウは、漢字で書くと「紅葉葉楓」

まだ緑色の葉が多いのですが、少し黄色気味の葉も混じるようになりました。

東京では木枯らし1号が吹きました。

春一番が待ち遠しいです。

早すぎ・・・ ですかね。(^^;

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期待値は2,000万円なのに、2,000万円を超える確率は33.9%

前回「複利を味方にしましょうって言うけれど・・・ できるんですか?」の続きです。

前回、年5%で30年間の運用を取り上げました。

毎月24,000円を投資して、30年間の累積元本は864万円。それで期待値は2,000万円になります。

でもね、と。

2,000万円以上になる確率は34%くらいなんです。50%じゃありません。

今回は期待値と達成確率の誤算について


上昇の確率と下落の確率


ちょっとした問題です。

ある株式があって、その株は、1年後に10%上昇するか、10%下落するかのどちらかしか起きないとします。

1. 上昇、下落のリターンは対数収益率(連続複利)
2. 現値は100円
3. 期待リターンはゼロ(1年後の期待値は100円)

さて、このとき、上昇する確率と下落する確率は、それぞれ何パーセントでしょう。

50%じゃないですよ。


答えは・・・


上昇する確率は、47.5%
下落する確率は、52.5%

ん?

ポイントは対数収益率です。

上昇:100×exp(0.10) = 110.517
下落:100×exp(-0.10) = 90.484

対数収益率の場合、上昇したときは110.517円、下落したときは90.484円になります。

上昇と下落が50%で平等なら、期待値は100.50になってしまいます。

だから、ね。

期待値が100(期待リターンがゼロ)となるように、確率を計算します。

それが上昇確率47.5%と下落確率52.5%です。


ちょっとした雑学


下落確率の方が大きくなります。

これはオプションを計算するブラック・ショールズ式にも取り入れられています。

r - 1/2σ^2 ってところです。

で、もうちょっと脱線すると、この部分は確率論の「伊藤のレンマ」と呼ばれる部分で、数学者の伊藤清氏の功績です。


本題に戻ります


本題に戻りましょう。

先ほどの例では、上昇より下落の方が確率が高くなりました。

それは先ほどの例に限ったことでなく、対数収益率を前提にすると期待値のまわりで下落の方が確率が高くなるのです。

だから前回の「複利を味方にしましょうって言うけれど・・・ できるんですか?」の例でいくと、期待値は2,000万円なんですけど、それが達成できる確率は50%じゃないってことです。


まとめ、のようなもの


株価の対数収益率が正規分布に従うという前提でのお話です。

あまり理論を前面に出して、頭でっかちになってもしょうがないのですが・・・

期待値を手に入れるのは意外に大変ですよ、というお話でした。(^^;

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複利を味方にしましょうって言うけれど・・・ できるんですか?

言うのは簡単だけど、行うのは難しいことってありますね。

複利についてもそうです。

複利は、長期で運用すればするほど得になるとか、早いうちから投資をした方がいいとか、ちょっとの違いが大きな違いを生むとか・・・

今回は、複利について

相変わらずのお話ですみません。でも、複利効果を過信しない方がいいと思うから、また取り上げます。(^^;


長期の複利効果


元利金について、単利だと直線的に増えていくのに対して、複利だと曲線で増えていきます。

収益が収益を生んで、ある時期からぐぐぐーっと勢いを増します。

たとえば、日経ウェブ記事の「おひとりさま女性、『複利を味方』で明るい老後」にあった例を使って、グラフを作るとこんな感じです。

複利効果 小黒とら

35歳から65歳までの30年間、毎月24,000円で積み立てたときの試算です。

想定利回りは、年5%の複利です。

5%の複利!しかも30年!

その想定については、最後にまた振り返るとしましょう。


長期投資にはリスクもあります


35歳から30年間の投資。

毎月24,000円を投資して、累積元本は864万円です。日経記事との違いは誤差の積み重ねです。あまり気にしなくて大丈夫です。

さて、その864万円が2,000万円になるのが、年5%の複利計算です。

あのね、と。

元手が864万円で、出来上がりが2,000万円です。

ちょっとバラ色の想定ですね。

ま、それはいいとして、ちょっとミスリードかなと思うことがあります。


ミスリードじゃないかなー


気になるのは「長期の方がいい」ってことです。

日経記事の中では、資産アドバイザーの言葉として「複利は期間が長いほど有利。早く始めれば毎月の積立額が少なくてすむ」とあります。

あのね、と。

定期預金の元加計算のように、確定的に複利で運用できる商品ってあるのでしょうか

年5%で。

5%で複利計算って、想定するのは簡単だけど、現実的なの・・・

ってことです。

画餅は食べられません。


ちょっとした試算


複利でぐぐぐーっと積み上がる曲線じゃなくて、リスクの曲線も見ておきましょう。

ちょっとした試算です。

複利効果 小黒とら

日経ウェブ記事の通りの前提で、青線は35歳から30年間、毎月24,000円を積み立てたとき。赤線は50歳から15年間、毎月75,000円を積み立てたときの分布です。

リターンは年複利で5%です。リスクは年率20%

投資の試算をするときは、リターンだけでなくリスクも考えて、出来上がりの分布で見るべきです。ご自身で分布を計算するのは面倒だと思うので、資産アドバイザーやFPに相談すればやってくれると思います。

さて、この図で見ると

青も赤も期待値は2,000万円で同じなんですけどね・・・

分布はだいぶ違いますでしょ。

2,000万円達成の可能性が高いのは、50歳から15年間、毎月75,000円を積み立てたケースです。若いうちは貯蓄に励んで、ある程度になってから投資に踏み込んでもいいという考えもできますね。

若いとか年を取っているとかは抜きにして、超長期でリスクを取らなくてもいいでしょ、という考えもありです。


まとめ、のようなもの


大事なことです。

30年間、毎月24,000円を積み立てる運用と、15年間、毎月75,000円を積み立てる運用では、期待値は同じだとしでも、投資の性質は違うんです。

それを一律に比較して、投資は早い方がいいとか、長期で複利で・・・と言うのは、ちょっと乱暴かなーという気がします。

で、最初の方に触れた「年5%で30年」の想定ですけど、こう考えてはいかがでしょう。

日経平均が20,000円で、配当利回りが1.5%だとします。配当落ちを考えるとキャピタルゲインは年3.5%としましょう。

日経平均が、年3.5%のキャピタルゲインで30年間・・・

20,000×1.035^30 = 56,000円

30年後の日経平均が56,000円!

どうですか?

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老後資金3000万円 貯められる確率 32.8% vs 73.3%

老後資金にいくら必要か?

永遠のテーマですね。

過去記事「65歳でいくら貯金が必要か? 1億円です。 え?」でも書きましたが、老後の不安を煽る記事には気をつけましょう。

で、今回は老後の不安を煽る記事です。

ん? (-_-;

本当は、毎月の積立の投資額の違いが、余裕度の違いにつながるというお話です。


登場人物は2人


登場人物を2人考えます。

一人は収入が高い「高木」さん。もう一人は、それほど高くない「安川」さんです。

さて、高木さんは毎月10万円を、安川さんは毎月5万円をリスク資産に積立投資します。

で、投資期間は30年。


30年後の世界


リスク資産の期待収益率を年3%、リスクは年20%とします。

3%といっても対数収益率(連続複利)なので、30年間では100円が246円になる計算です。単利なら4.87%です。

ちなみに、超長期の投資の場合、複利と単利の両方の利回りで考えたほうがいいですよ。超長期で複利を想定するときの落とし穴は、過去記事「平均4%で回しても、結果はこんなに違う 複利効果について」をご覧ください。

さて、高木さんと安川さんに話を戻しましょう。

二人の投資結果をシミュレーションするとこんな感じになります。

投資余裕 小黒とら

青線が毎月5万円の安川さん、赤線が毎月10万円の高木さんです。


2人の比較


まず、安川さんに注目します。

30年間の累積投資額は1,800万円。
投資の期待値としては2,900万円ですが、実現しやすい値としては2,200万円くらいです。

一方で、高木さんの場合。

30年間の累積投資額は3,600万円。
投資の期待値としては5,800万円ですが、実現しやすい値としては4,400万円くらいです。

で、ここからです。


老後資金を3,000万円とします


漠然としたイメージとして、老後の必要資金額を3,000万円としましょう。

高木さんも安川さんも、とりあえず3,000万円がひとつのラインと考えます。ただし意味合いは異なります。

ん?


収入の高い高木さんにとっての3,000万円は、
累積投資額(3,600万円)に比べると元本割れですけど、

やられても、まぁ、このくらいなら許せるよね。

という水準。


収入がそれほど高くない安川さんにとっての3,000万円は
累積投資額(1,800万円)に対する期待値(2,900万円)を少し上回って、

リスクを取ってやってるのだから、できればこれくらい取りたいなー。

という水準。

比較のための強引さはありますけど、ひとまずそんな感じで・・・


3000万円を巡る思いの違い


高収入な人にとっては、毎月10万円をコンスタントに投資に回していれば、まぁ、多少やられても3,000万円は到達可能な水準。

ボトムラインです。余裕です。

それほど収入のない人にとっては、毎月5万円をコンスタントに投資に回して、うまくいけば到達できる水準。

目標値です。


おなじ3,000万円としても、余裕のボトムラインと置く人もいれば、到達を目指す水準と考える人もいます。

そうなると・・・

必然的に投資に対するスタンスも考え方も異なります、ね。(^^)


まとめ、のようなもの


タイトルの「老後資金3000万円 貯められる確率 32.8% vs 73.3%」の意味です。

32.8%は、毎月5万円、累積投資額1,800万円で達成可能な確率
73.3%は、毎月10万円、累積投資額3,600万円で達成可能な確率です。

投資のリターンではなく、「出来上がりの額」を目標にするなら、毎月多くを積み立てられる人の方が圧倒的に有利です。累積投資額が違うのであたりまえですけど。

含み損?

なにそれ、おいしいの?

なんて余裕もありかな。高木さんなら。(^^;

結局、余所は余所、うちはうちで行くしかないんですよね。


過去記事
65歳でいくら貯金が必要か? 1億円です。 え?
平均4%で回しても結果はこんなに違う 複利効果について

では、よい週末を。(^^)/

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パーソナルファイナンスと不動産 持ち家を投資リターンで考える

住宅やマンションの販売会社は、不動産を売っているのではなくて、夢やライフスタイルを売っていると言われますね。

夜景を見ながらワインを楽しめるリビングルーム

木々の緑と柔らかな日差しあふれる庭

こんな感じで、この家(マンション)を買ったら、こんなライフスタイルで・・・ なんて夢が広がりますね。

あ、でも、今回は真逆で、持ち家を投資リターンで考えるというドライなお話です。

夢が広がる話は別の機会に。(^^;


持ち家を投資リターンで考える


過去記事「個人の資産形成で不動産をどう考えたらいいか」の下町のマンションを例にします。

東京の下町エリア、某駅から徒歩10分。
5階建て鉄筋コンクリート造(RC造)のマンション。
広さは70㎡。

マンションの価格は
新築時:3,700万円
築10年:2,200万円
築30年:1,550万円

さて、この物件を新築で購入した時の投資リターンを考えます。


考え方の整理


投資元本:1,000万円(頭金)
投資期間:30年
キャッシュフロー:
 期首:投資元本の -1,000万円
 期中:帰属家賃と住宅ローンの返済額(元利金)の差額
 期末:不動産の残存価値

投資リターンの計測法:内部収益率法

投資元本1,000万円は物件購入の頭金です。

頭金(自己資金)1,000万円と、ローン3,000万円を使って3,700万円の新築物件を購入すると考えます。差300万円は諸費用その他です。

住宅ローンは30年固定で1.5%とします。


キャッシュフローの整理


帰属家賃と住宅ローンの返済額の差額を期中のキャッシュフローと考えます。

今回の物件では、帰属家賃の推計を以下のようにしました。

住宅投資 小黒とら

一方、住宅ローンの返済額は、年率1.5%として毎月10万4千円程度です。前回は金利を2.5%にしましたが、それじゃぁ住宅ローンじゃなくて投資用ローンの金利だな・・・と思ったので引き下げました。

このケースでは、帰属家賃がローン返済額を上回ります。

さて、結果は・・・


まずは結果


投下資本1,000万円
期中のキャッシュフローがプラスで1,200万ほど(月34,000円ほど)
期末の資産価値が1,550万円

投資のリターンは、年率で5.53%でした。


比較用のストレスをかけたシナリオ


さて、うまくいかないことも考えましょう。

帰属家賃の変化にストレスをかけたシナリオも用意しました。

こんな感じです。赤線の方です。

住宅投資 小黒とら

このケースでは、16年目からは帰属家賃が住宅ローンの返済額を下回ります。キャッシュフローの考えでは持ち出しになるということです。

さらに、期中のキャッシュフローにストレスをかけたわけですから、当然に期末の物件価格も変化します。

物件価格の変化はこんな感じです。

普通シナリオ:1,550万円(青線)
ストレスシナリオ:1,000万円(赤線)

住宅投資 小黒とら

さて、結果は。


ストレスシナリオの結果


投下資本1,000万円
期中のキャッシュフローがプラスで380万ほど(月10,000円ほど)
期末の資産価値が1,000万円

投資のリターンは、年率で1.71%でした。


まとめ、のようなもの


今回は、持ち家を投資リターンで考えるという方法を提案してみました。

帰属家賃から公租公課を引かなきゃいけないから経費率を考えて・・・とか、いろいろ考慮すべき点はありますが・・・

今回のところは、持ち家を投資リターンで考えてみても面白いんじゃないでしょうかってことで。

はい。夢のない話でした。(^^;

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