2014年12月 の記事一覧

老後資金にいくら必要か・・・ ではなく

パーソナルファイナンスで老後資金のプランニングは重要なテーマです。しかし、老後にいくらのお金が必要かはケースバイケースで一概にはいえないのです。年金制度は少し複雑で、受け取る年金は人によって異なりますし、どういう老後の生活を送りたいかによっても必要額は変わってきます。

まさにパーソナルなファイナンスですね。

受け取る年金額が少なく、お金のかかる趣味があれば老後資金はたくさん必要です。逆に、受け取る年金額が多く、お金のかかる趣味がなければ老後資金はそれほど必要ないでしょう。

住む場所、住み方(賃貸か持ち家か、持ち家の場合は築年数はどうか)などによっても住居費の負担は大きく変わります。

また、老人になっても働くことができるなら、老後資金の必要額も変わってきます。おそらく私が老人になる頃には、シニア人材の活用ということで嘱託や請負などの形態で働く人が多い気がします。そういう社会になっている気がします。

私は週の半分だけ働くとか、週休2日で10か月働き、2か月はフルに休むといった働き方ができるのならそれもいいなと思っています。


老後資金を使い果たす期間


さて、本題。

老後資金がいくら必要かは、ケースバイケースなので今回は話題にしません。今回話題にするのは、現役時代に形成した金融資産を取り崩すのに何年かかるかです。

試算の前提
・65歳の時点で3,000万円を保有しています。
・資金運用をしながら毎年120万円を取り崩します。
・運用の利回りは3%、2%、0%の3パターン。
・運用益にかかる税率は20%

毎年120万円の取り崩しは、月に10万円の取り崩しです。生活費の足しと考えてもいいですし、趣味に使えるお金と考えてもいいでしょう。

エクセルシートを作ればパラメータはいくらでも変えられますから。

結果は以下です。

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利回り3%は税引き後で2.4%、2%は税引き後で1.6%ですので、それに沿って計算しました。

運用利回りがゼロの場合、3,000万円は90歳(=25年)で使い切ります。3,000万円÷120万円=25年です。

利回り0% = 90歳(25年)
利回り2% = 97歳(32年)
利回り3% = 100歳以上


試算で重要なこと


こういう試算で重要なのは、最初の資金額、取り崩したい金額、想定運用利回りといったパラメータを、自分の感覚に合うように自分で設定して計算することです。

そうすることで老後のお金についてご自分のケースで試算することができます。

エクセルシートの例を最後に載せますので、ご興味があれば作ってみてください。


うまくいかないケースの試算


先ほどまでは運用がプラスだったケースです。当然のことながら、運用利回りがマイナスのケースも想定しないといけません。

運用利回りがマイナスの場合、資金の底が尽きるのは早くやってきます。運用利回りがマイナスの時は以下のようになります。

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プラス3%(税引き後2.4%)なら100歳を超えても資金が残りますが、マイナス3%の場合は、83歳の時にゼロになります。

なお、資金がゼロになった後は運用利回りゼロで毎年120万円をマイナス計上しています。

重要なのは
3,000万円をプラス3%で運用できたケースとマイナス3%となったケースでは、結果がまったく異なるということです。

運用しながら取り崩す、取り崩しながら運用するのは有効な戦略ですが、うまくいくケースとうまくいかないケースの両方を考えて、それぞれどうなるのかをシミュレートしてから始めた方がいいです。


エクセルシートの作成例


運用しながら取り崩すケースのエクセルシートを載せておきます。

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式を表すと以下の図になります。

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備えあれば憂いなし。
運用がうまくいくケースと、うまくいかないケースの両方を考えて老後に備えましょう。

ただ、備え過ぎなのもどうかなと思います。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉もあります。老後に備え過ぎて現役時代の消費を抑制しすぎるのもつまらないですから、投資と貯蓄と消費と、バランスよく人生を楽しみたいです。

生きている限り、時は失われます。いまを生きる。いまを楽しむという考え方も大事ですね。

息抜きしましょう

今年の相場が終わりました。欧米市場はこれからですが、気分的には今年の相場は終わりです。

今年の相場は、米国の利上げが視野に入ってきた10月に少しボラティリティが高まりましたが、それ以外はおおむね順調な相場展開だったと思います。

ただ、相場は何があるかわかりません。順調なときもあれば、一転して大きな痛手を食らうこともあります。来年は今年よりは難しい相場になりそうですね。ロシアやギリシャなどに火種がありますから。

来年は相場でストレスを感じる局面が増えるかもしれません。

相場でストレスを感じたら、気分転換で笑い飛ばすのがいいです。その時に備えて笑える画像をアップします。(いろいろな経緯で入手しました。オリジナルの作者、出典は不明です)



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お金は大事だけど・・・

投資とかパーソナルファイナンスがメインテーマになっているブログですが、たまには別の話題もしたいと思います。

今回は投資やお金の話ではありません。
このブログのもう一つのテーマである、悠々自適な生き方についてです。

悠々自適な生き方、いいですね。悠々自適というのは、世の中のしがらみに煩わされず、自分の思うままに、心静かに生活を送ることです。晴耕雨読の生き方をイメージする方もいるでしょうし、趣味に生きる生き方を思い浮かべる人もいるでしょう。

私も私なりに悠々自適な生き方のイメージがあります。

イメージするのは、のびやかに過ごす自分です。

経済的な安定性と、自由な時間と、自分の能力と可能性、自分のやりたいこととやりたくないこと・・・ これらをうまく調和するのは最適なポートフォリオを組むよりも難しいことです。

いま私は、お金も大事だけど時間も大事だな・・・ということを感じています。

悠々自適というのは、経済的なものよりも、精神的な余裕とか時間的なゆとりを意味するのかなと思っています。


悠々自適な時間の過ごし方


私は写真を撮るのが好きなので、出かけたときに写真を撮ったりします。

少し前に出かけた都内の公園(水元公園)です。

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前を歩いていたシニアの夫婦がいい味を出していました。紅葉が終わって木々が少し寂しくなって、色合いも少なくなった公園ですが、ご婦人の濃赤色のダウンが目を引きました。落ち着いた赤の似合うご婦人と、妻に寄り添うように歩く旦那さん、いい感じです。

公園を散歩する人もいれば、ベンチでくつろぐ人もいます。釣りを楽しむ人もいて、ゆっくりした時間が流れていました。


次は今日撮ったばかりの写真です。

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近所の薬局に薬を買いに行ったときに撮った街路樹の雨粒です。

たまには雨の日の外出もいいものだな・・・と思いました。

もちろんお金は大事ですけど、ゆっくり心穏やかに過ごせる時間が、今の私にとっては何より大事です。

パーソナルファイナンスと金融リテラシーが必要なのはなぜ?

投資家オンラインというブログの名前ですので、このブログの読者は「潜在的な」も含めて「投資家」を想定しています。積極的な投資家もいれば、消極的な投資家もいるでしょう。

消極的な投資家とは、本当はあまり投資には興味がないし、やらないでいいならやらないで済ませたいという人です。

そういう人でも、いまのゼロ金利では、ご自身やご家族の金融資産の全額を預貯金のままでいいのかな・・・と思っているはずです。でも、具体的にどうしていいかよくわからないから、とりあえず、取引のある銀行や証券会社ですすめられた投資信託で長期投資となりがちです。

でもちょっと待ってください。

投資は人任せではダメです。重要なポイントは2点です。

1. 投資は自己責任です。自己責任というのは、自分で判断するということです。
自分で情報を収取して、自分で納得できたものだけに投資しましょう。私は自分で理解できるものだけに投資して、それでわりとうまくいっています。

2. 投資や個人のやりくり(パーソナルファイナンス)について、他人の助言を受ける時は、その人があなたの側になって考えてくれるかをしっかり見極めてください。あなたが相談する投信の販売員、保険のセールス、FPなどは、あなたの側になって考えてくれる人なのか、それとも所属企業の利益を考える人なのか、です。


パーソナルファイナンス


パーソナルファイナンスはこれからより重要になります。
企業が従業員の福利厚生を丸抱えして、終身雇用でやってきた日本式経営はとうの昔に寿命が来ています。社会保障制度も制度疲労が激しいので、納付は増えて給付は減るのは避けられません。

ですので、家計の防衛は節約、倹約だけでは難しいですね。攻撃は最大の防御じゃないですけど、ときにはリスクを取って資金を運用する攻めのパーソナルファイナンスが必要になります。

そのとき重要なのは、攻め時なのか守る局面なのかの形勢判断です。それにはマクロ経済の知識があった方がいいです。景気見通しの精度が高まりますから。


金融リテラシー


金融リテラシーとは、金融(特に投資)に関する最低限の知識です。
「おいしい投資話はない」というのが鉄則です。金融の用語では「フリーランチはない」ともいいます。

リターンの裏にあるリスクが見えやすいか見えにくいか・・・

世の中にはリターンの裏にあるリスクが見えにくいのをいいことに、リスクを過小評価して伝える、あるいは歪曲して伝える人もいます。嘘を伝えてお金を引っ張る詐欺事件もあります。

アドバイスとしては
リターンの裏にあるリスクを知ることです。
ご自身でリスクを把握しきれなければ、専門家にセカンドオピニオンを求めるべきです。


まとめ


1. パーソナルファイナンスは、少子高齢化が進む日本では、必要性がますます高まります。
企業や国の福利厚生を頼り切るのは心もとないのです。自助努力が必要です。
2. 金融リテラシーは最低限の金融知識のことです。おいしい投資話はないといいうことです。
投資で成功するには、こちらも自助努力が必要です。

リスクについて 確率で考えるためのエクセル式

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンというときの「リスク」についてお話しします。

投資にはいろいろなリスクがあります。定量化しやすいリスクもあれば、定量化しにくいリスクもあります。信用リスクや流動性リスクは急に振る舞いを変えるので定量化しにくいリスクですが、株価の値動きはわりと定量化しやすいリスクです。

株価の値動きのリスクを定量化するには「標準偏差」を使います。標準偏差は英語ではStandard Deviationですが、「ボラティリティ」(Volatility)という用語も使われます。


標準偏差と正規分布


価格変動リスクを表すときに標準偏差を使います。標準偏差は統計の用語で、「正規分布」を前提にして平均からのブレの大きさを表す単位です。

正規分布についてはひとまず置いておいて、今回は

1. 標準偏差とは平均からのブレの大きさを表すもの
2. 標準偏差の値が大きいほどハイリスク
3. 標準偏差で発生確率を把握できる

ということを押さえていただければと思います。


過去の日経平均のデータで具体例


以下の図は1999年1月から2014年11月までの月次リターンの分布です。棒グラフが実際のリターンの発生頻度、赤線が正規分布を仮定した理論的な発生頻度です。

投資家オンライン 日経平均 正規分布

だいたい正規分布に近いことがわかります。だいたいです。正規分布から外れるクラッシュもあるのですが、それは別の機会に回すとして、今回は正規分布を前提に話を進めます。


標準偏差の特徴について、少し


正規分布は山のような形状をしています。たとえば平均のリターンが0%、リスク(=1標準偏差)が10%の株があるとします。その株のリターンの分布は以下のようになります。

投資家オンライン 正規分布

平均0%を中心に山の頂点があり、発生頻度が高いことを表します。±20%を超えるリターンの発生頻度は低い(=高さが低い)ことがわかります。

±1標準偏差の範囲内にリターンが収まる確率は68.3%ですし、±2標準偏差の範囲内いリターンが収まる確率は95.5%です。正規分布の特性から確率を計算できます。

なお、いま平均を0%でリスクを10%にしたため、±10%が±1標準偏差になりました。リターンの平均が5%でリスクが20%の場合は、5%を中心にして±20%が1標準偏差ですから、±1標準偏差は-15%と+25%になります。


ハイリスクとローリスク


ハイリスクの資産とローリスクの資産を比べます。

ハイリスク・ハイリターンの資産は、リターンの平均が5%、リスクが10%
ローリスク・ローリターンの資産は、リターンの平均が2%、リスクが4%

正規分布は以下のようになります。縦横を変えてます。

投資家オンライン 正規分布

青いローリスク資産は、やられてもマイナス10%ですが、うまくいっても15%には届かないといった感じです。一方で、赤いハイリスク資産は、マイナス20%になる可能性があるものの、プラス30%の可能性もあります。

ここからは普通の投資の教科書には書いていないことです。

リスクの小さい資産は、リターンの平均がプラスなのかどうかが重要です。リターンのブレが小さいのですから、その資産が真にプラスのリターンを生むのかどうかが重要です。安定的にプラスのリターンを生む資産であれば、多少のブレを許容しつつ長期に保有できます。

一方で、リスクの大きい資産は、リターンの平均よりはリスクの大きさそのものに目を向けるべきです。予想外にやられることもあれば、思ったより儲かることもあるのです。こういう資産は、自分が耐えられる損失額と、うまくいった時の利食いポイントを定めて、投資期間にこだわらないでポジション調整をするべきです。


確率で考える


投資において理論はすべてではありません。役に立つこともあれば、役に立たないこともあります。ただ、目安として、理論的な数値管理は、やらないよりはやった方がいいです。

投資家オンライン 確率計算

上のようなエクセルシートを作ると

ある投資資産について、
期待収益率 ・・・ どのくらいのリターンが期待できるか
リスク(標準偏差)・・・ どのくらいのリスクがあるか
をエクセルに入力して

許容可能なロス額と希望するリターンを入力すると

許容可能なロス額を下回る確率と希望するリターンを上回る確率が計算できます。

期待収益率はご自身の相場観を入れてもいいですし、過去の平均値を使っても結構ですし、投信なら投信の販売員の意見を聞いてもいいでしょう。リスクも過去データから計算してもいいですし、投信なら販売員に聞いてもいいでしょう。

ともかくご自身の納得できる数値ならOKです。

重要なのは、確率的に考えてみることです。特に損失についてです。どのくらいの確率でどのくらいのロスの可能性があるのかをあらかじめシミュレーションしておくのが大事です。

そのうえで、撤退のポイントを決めておくと心がブレなくて済みます。

日本の金利が低い理由 日銀だけが問題じゃない

日本の金利は、ほぼゼロです。普通預金の金利は0.02%ですし、つい先日は2年物国債の入札でマイナス金利になったことも話題になりました。

なんでこんなに金利が低いのかを考えてみました。

その前に

日本の国債はJGBと呼ばれます。Japanese Government Bondの頭文字でJGBです。少数派ですが、JGBではなくJ-Bondという用語を使う人もいます。

こんなジョークがありました。

J-BondのJは何のJか知ってるか?
Japaneseでしょ。
いや、違う。JamesのJだ。
え?
James Bond !

投資家オンライン

金利が0.07%だからね。

と、まあ、つまらないジョークでした。(汗)


低成長・低インフレ・低金利


さて、軽くすべった後で本題に入ります。

まずディスクレーマーから。経済学にはいろいろな流派がありますので、一つの事象に対してもたくさんの解釈や意見があります。なので、あくまで一つの意見として聞いてください。

日本の金利を考える時に、日銀がジャブジャブに金融緩和をしているから低金利なのかというと、確かにそういう面もあるのですが、もっと奥深い理由が別にあると思っています。

それは低成長、低インフレです。

まず、実質金利から説明します。

実質金利 = 名目金利-インフレ率

そして、実質金利は、実質経済成長率にほぼ等しくなると考えられています。

実質金利 ≒ 実質経済成長率

実質経済成長率とは、実質GDP成長率のことです。GDPは企業などの経済主体が生んだ付加価値額の総和です。前年比でどれだけ付加価値を増やしたかが、経済成長率になります。

企業はお金を借りて設備投資などを行って、付加価値額を増やしていきます。借入金利が低くければ、借り入れを増やして成長していきます(付加価値を生んでいきます)。借入金利が高くて採算に合わない(付加価値を生めない)となると、借り入れをやめて成長も鈍化します。

均衡点としては、借り入れの金利と成長が見合うところです。つまり、実質金利 ≒ 実質経済成長率です。


中央銀行の役割


中央銀行の伝統的な金融政策は金利の操作です。

経済は波がありますから、「実質金利 ≒ 実質経済成長率」が成り立つわけではありません。

そこで、経済成長率が過熱しているようなら、金利を引き上げて経済成長を押さえにかかりますし、経済が低迷しているようなら、金利を引き下げて企業に投資や生産活動を促します。

そうやって景気の波を安定化させるのが中央銀行の役割の一つです。

ただし、ここまで説明してきて混乱を招くかもしれませんが、中央銀行が操作できる金利は「名目金利」です。実質金利は操作できないのです。


デフレと実質金利の高止まり


すでに政策金利はゼロに張り付いています。名目金利がゼロということです。

ところが、デフレでインフレ率がマイナス1%だとします。

そうすると・・・

名目金利 = 0%
実質金利 = 0 – (–1) = プラス1%

実質金利が1%で高止まりしているのです。実質経済成長率が0%だとすると、実質金利1%は金融引き締め的です。

そこで、インフレ率が2%なら

名目金利 = 0%
実質金利 = 0 – (+2) = マイナス2%

実質金利がマイナスになります。そうすると、実質経済成長率0%に対して、金利マイナス2%は緩和的といえます。


日本の潜在成長率


日本の潜在成長率についてです。潜在成長率とは、「労働」、「資本」、「生産性」を最大限活用して、中長期的に持続可能な経済成長率のことです。日本の場合、90年以降は労働投入量がピークアウトしていますので、ずっと低成長が続いています。この先も高い成長は望みにくいでしょう。

日本の場合、潜在成長率の低下と、デフレ下で実質金利が下がらなかったことで、低成長が続いています。成長率が低いことで金利も低いという状況です。

潜在成長率の低下、デフレ気味の状況は、日本だけでなく、ドイツやスイスなど欧州の先進国も同様です。

低成長、低インフレ、その結果としての低金利は、豊かな先進国に特有の悩みです。

日銀がたくさん国債を買っているから低金利、マイナス金利という面もありますが、日銀はマイナス金利にしてでも、投資や生産を促して経済を成長させたいということでもあります。

日本のゼロ金利は、日本の潜在成長率の低下が根っこにあると思います。

投資で失敗しないために 重要なこと

私は、投資で失敗しないためには

1. 投資対象を理解する
2. 相場を理解する

この2点が重要だと思っています。

他にも大事なことはあるでしょうが、投資対象を理解することと、相場を理解することは押さえておくべきポイントです。

投資で成功するのは難しいのですが、これら2点を理解することで、投資で失敗する可能性を低くしていくことができます。


投資対象を理解する


アセットプライシングやポートフォリオ理論といった投資の理論的な話です。小難しい理屈に思えるかもしれませんが、投資で失敗しないための第一歩です。

これは、金融機関が主催する投資教育では避けられる分野です。説明する側としては説明が難しくなるのと、聞く側としては聞いていてもあまり面白くないからです(笑)

とはいえ、ここは最重要です。

債券の投資なら、金利が低下すると債券価格が上昇するのはなぜかとか、金利はどうやって決まるのか、とか、ある企業がデフォルト(倒産・破綻)する確率はどのくらいあって、それを織り込んだうえで今の債券利回りは投資妙味があるかといったことです。

最近では永久劣後債とか、CoCo債(Contingent Convertible Bonds:偶発転換社債)といった評価の難しい債券も投信に組み入れられています。CoCo債はオプション性を持つ債券ですから、デリバティブの知識も欠かせません。

株式の投資なら、企業の価値を測定し、そのうえで企業の価値(Value)と株価(Price)を比較して投資妙味があるかを判断します。そのとき、どうやって企業価値を測定するかですが、それには、ある程度の理論的で合理的な理由付けが必要です。

ポートフォリオを組むときは、リスクあたりのリターンが最大となる(投資用語では、「シャープレシオ」が最大となる)ようなポートフォリオを組みます。ポートフォリオの最適化問題というもので、最適化問題を解くには、難しく言えば「二次計画法アルゴリズム」を使って解くのですが、わかりやすく言うと「エクセルのソルバー」を使えばできます。

ポートフォリオの最適化については、自分で計算しないまでも、基本的な考え方は押さえておくと役に立ちます。

私はこのブログで、債券、株式、デリバティブ、ポートフォリオ組成などの話をしていくつもりです。


市場を理解する


最初のは投資対象を理解するという理論的な話ですが、こちらはより実践的な話です。債券市場や株式市場の振る舞いを理解することです。

リスクとは何か、リスクと不確実性は何が違うのか、なぜ市場にバブルが発生し、なぜ市場は急にクラッシュするのか。市場のバブルとクラッシュは伝統的な投資理論では説明できません。

相場はあまりにも複雑なので説明しにくのです。

相場の経験の少ない投信の販売員やFPは、相場の実践的な話はしにくいと思います。相場は、ローリスク・ハイリターンの局面もあれば、ハイリスク・マイナスリターンの局面もあります。そういう相場の局面変化について、投資教育やセミナーの場ではあまり取り上げられません。

話すのが難しいからです。

難しいのですが、私は少しでもわかりやすく相場の話をしていきたいと思っています。


資産運用はおもしろい


資産運用はおもしろいゲームです。私は長く相場の世界にいたので、強くそう思います。話をしだすと止まらなくなりそうです。

この先
・投資の理論的な話と
・相場の実践的な話を、
それぞれしていきたいと思います。

思い付くままに書いていくのでテーマは飛び飛びになるでしょうし、ときに矛盾したことを言うかもしれませんが、それもご愛嬌と思ってこのブログにお付き合い下さい。

あと、投資に直接関係のない話も書いていくつもりです。

ドルコスト平均法による長期積み立て投資にご注意

長期投資は投資のセオリーのように言われています。ドルコスト平均法で長期にわたって積み立てるように投資していけば、気が付いたら大きなお金になっていた・・・

これは望ましい形ではありますが、注意が必要です。

長期投資もドルコストによる積み立ても、どちらもリスクの大きな戦略なのです。今回はドルコスト平均法による、長期積み立て投資の注意点についてお話しします。


長期投資でも報われない


以下の図をご覧ください。

投資家オンライン ドルコスト平均投資の注意点

日経平均株価と米国のS&P500指数です。比較しやすいように1999年1月を100にして指数化しています。

日米の株価は、だいたい同じように動いています。ただ、2009年からの回復局面で日米に差があるのですが、それは日本が超円高だったからです。

為替を円ベースにすると下の図になります。

投資家オンライン ドルコスト平均投資の注意点

ほぼ同じ動きです。先ほどの図はS&P500がドルベースでしたが、こちらは円換算しています。日本の投資家が為替をヘッジしないで、S&P500に投資した場合はこうなります。

さて、長期投資でも報われないというのは、日米の株価とも、トレンドとして右肩上がりではないからです。日米の株価は、数年単位の上昇と下落を繰り返すサイクル性の強い動きなのです。日米だけでなく先進国の株価は概ねそのような動きです。

成長期待の高い新興国の株式については右肩上がりと思うかもしれません。新興国の投資については別の時に書ければと思っています。いまは日本の株や先進国の株に焦点を絞ります。


さて、10年の投資期間は長期投資といえます。

上の図の①は1999年1月から2009年1月までの10年間ですが、リターンは大きなマイナスです。米国のリーマンショックを経験して、2009年はその影響が強く残っているからです。

②は相場のボトムで投資した場合ですが、十分にプラスのリターンを取って利益が得られるチャンスがあったのに、ずっと10年間投資を続けたことで、ほとんど利益が得られませんでした。

あくまで例示ですが、株価の動きをみていると、長期投資よりは、サイクルに乗る中期的な投資の方がいいといえます。

長期投資が報われるとは限らないのです。

先進国の潜在成長率が低くなっている今日では、長期投資は時代遅れになりつつあります。長期的なバイ・アンド・ホールドだけではなく、短中期的なヒット・アンド・アウェイも戦略の候補として取り入れてはいかがでしょう。


ドルコストによる積み立てに注意!


ドルコスト平均法による積み立ては、投下した資金が時間とともに増えていきますので、損益額からみたリスクは時間とともに大きくなっていきます。

ドルコスト平均法のメリット

まず、損益額からみたリスクは時間とともに大きくなっていくのを確認する前に、ドルコスト平均法による積み立てのメリットについて確認します。

投資家オンライン ドルコスト平均投資の注意点

上の図がドルコスト平均法のメリットを示しています。等金額を毎月投資していきますので、値段が高い時には投信であれば少しの口数(生株であれば少ない株数)の投資ですし、値段が下がった時には多くの口数や株数を買えます。

その結果、購入単価は抑えられるというのがメリットです。


ドルコスト平均法のデメリット

ドルコスト平均法の注意点は、悪い言い方をすると「際限のない難平(ナンピン)買い」になりかねないことです。

ナンピン買いというのは、安くなったときに買って、購入単価を引き下げるという買い方です。この買い方で単価は下がるものの、「ポジション量は増える」ことから、潜在的には損失の額が大きく膨らむ恐れがあるのです。

ディーラーの世界では、「ならぬ、ナンピン、スカンピン(素寒貧)」とか、「下手なナンピン、スカンピン」とかいって、ナンピン買いを戒めています。

ドルコスト平均法とナンピン買いは違うという意見もありますが、ともかく、イコールでないにしても、ドルコスト平均法による購入は、機械的なナンピン買いの要素を含んでいるとはいえるでしょう。

その結果、何が起きるかというと・・・

投資家オンライン ドルコスト平均投資の注意点

時の経過とともに損益のブレが大きくなるのです。例示のケースは、1999年1月から毎月50,000円で日経平均株価をドルコスト平均法で買い続けたときの含み損益の推移です。

2014年11月末時点では損益はプラスで、それはいいのですが、重要なのは次のことです。

損益のブレは時とともに大きくなる。

投資した金額が、時とともに積み重なるからです。

このケースでは、購入単価が下がったことで損益のブレが少し上方に傾いています。それはドルコストのメリットといえます。ただ、気に留めておく必要があるのは、投下した金額が増えれば増えるほど損益額のブレも大きくなるということです。

ですから、長期の積み立てで放っておくよりは、ときどき投資した累積額と損益を確認して、場合によってはうまくポジションを利食っておくことも大事です。


まとめ


長期投資で積み立てるように投資するのは一つの方法です。ですが、投資は貯蓄と違って値動きの大きいものです。

ですから、
・長期投資を過信せず
・ときには投資した累積額を確認して

必要に応じて戦略を見直すようにしてはいかがでしょう。

国の借金1177兆円で、国がつぶれる?

国の借金が1,000兆円を超えていて大変だ、というのは半分は本当で、半分はウソです。

まず本当のところから。
日本銀行の資金循環統計では、一般政府部門の金融負債額は1,177兆円です(2014年9月)。
ですから、政府の借金が1,000兆円を超えているのは本当のことです。


投資家オンライン 国の借金


1,000兆円を超えていて大変かどうかですが、これは主観的な判断になります。いまのところは置いておきましょう。

次にウソのところ。
国の借金は1,177兆円ですというときに、何の断りもなく政府を「国」に置き換えています。

一般政府は行政府(行政機関)として国の運営に当たりますが、だからといって政府が国そのものではありませんよね。国は主権者たる国民で構成されていているのです。そして、国の一機関として行政府があるのです。

ですから、正確には1,000兆円を超えているのは、「(国の一部門である)政府の借金」というべきなのです。

後でまた説明しますが、国の借金と政府の借金は意味が異なります。

日銀の資金循環統計で示している1,000兆円を超える負債は「政府の負債」です。


部門別の資産と負債の状況


部門別の資産と負債を積み上げたのが以下の図です。

投資家オンライン 国の借金

政府の負債は赤枠で囲った部分です。


投資家オンライン 国の借金

全体の中でピンクにしたのが政府の負債です。


上の図からわかっていただきたいのは、部門ごとの資産と負債を積み上げた数値はバランスするということです。企業の貸借対照表のように、トータルの収支は合うのです。

国ということで考えれば、一般政府だけでなく、国民である「家計」、国民の経済活動の主体となる「非金融法人企業」、規模は小さいものの「民間非営利団体」、そして国民の金融仲介を担う「金融機関」も含めてみるべきです。

一般政府、家計、非金融法人企業、民間非営利団体、金融機関までの国内部門をみると、資産は6,516兆円、負債は6,190兆円となり、差し引きでは325兆円の金融資産を持っていることになります。

投資家オンライン 国の借金

資産額から負債額を引いた、国内の純金融資産325兆円は、海外部門の負債(日本国から見れば対外純資産)の322兆円をバランスしています。日本は国内では資金余剰で、対外純資産を持っているのです。

本来、国の借金という場合、政府部門や家計や企業部門も総合した国全体のバランスで見て、対外的に借金しているかどうかで見るべきです。で、実際のところ対外的には借金はなく、日本は純債権国なんです。


局所的な議論


政府部門の負債額だけを取り上げて1,000兆円を超えているから大変だ、というのは局所的な議論になってしまう、というのが私の意見です。

問題の本質は、負債の負担と資産の徴収の非対称性にあると思っています。

政府の負債は、最終的には国の主権者たる国民ひとりひとりの負債になります。一方で、国民ひとりひとりの金融資産は私有財産ですから、政府が徴税権などを使って強制的に徴収しない限り、政府のものにはなりません。


政府の借金を減らすには


政府の借金である国債を減らそうとすれば、増税によって家計の金融資産を取り崩して政府の負債を減らすか、民間の企業がどんどん稼いで労働者の所得税と法人税の税収がアップするか、あるいは政府が社会保障や公務員給与をカットするか、不動産などの国有資産を民間に売却するかなどですね。

極端なシナリオとしては、増税ではなく、預金封鎖で国全体のバランスシートを軽くするかもしれません。預金封鎖については、そのうち書こうかなと思っていますが、いまのところは考えなくて大丈夫でしょう。

ともかく、話をまとめると、国の借金1,000兆円というのは正確な表現ではありません。国と政府を混同して、負債だけを取り上げるからややこしくなるのです。

政府の負債額は1,177兆円ですが、国内の純資産額は325兆円の黒字です。

将来的に家計の負担が増えることはあるでしょうが、借金で国がつぶれることは考えられません。

ですから、国の借金で国がつぶれる、円の信認がなくなって超円安になる、お金の価値がなくなってハイパーインフレが来るといった説は、私は話半分に聞くことにしています。

銀行が破綻した時 預金の全額を保護する方法

銀行が破綻した時のペイオフに備えたお話です。

ペイオフで1,000万円以上は保証されないと思い、だから複数の銀行に1,000万円以内で預金しているという人もいると思います。

しかし、預金が1,000万円を超えても、たとえ1億円でも預金の全額を保護する方法があります。

それについては後段でお話しします。

その前に、預金と投資についての話を聞いてください。


預金バカと預金賢者


「預金バカ」という言葉がありますし、「お金は銀行に預けるな」という本もあります。預金をするのではなく、投資をしましょうということだと思いますが、私は下手なタイミングで、どうしょうもないリスク資産に投資するくらいなら、預金しておくのが賢明だと思っています。

「預金賢者」という言葉を提唱したいくらいです。

日本もそうですが、先進国においては潜在成長率の低下が言われていますし、需要の低下による低インフレ(ディスインフレやデフレ)もみられます。そうすると少なくとも先進国においては、リスク資産のリスクプレミアムが既に低下していると考えられます。

つまり株などに投資しても、以前のような高リターンは望みにくくなっているのではないか、というのが私の仮説です。長期的にはプラスのリターンが期待できても、そのプラス分はそれほど大きくないために、景気循環の波の方が大きいという考えです。

株式のリターンが長期的に3~5%のプラスだとして、年に20%や30%、ときにはそれ以上の下落や上昇があるのですから、リスクリターンのバランスからして、預金でいいやと思う人がいてもおかしくありません。

それに日本の場合は高齢者に貯蓄が偏っていますので、そういう人たちのお金を貯蓄から投資に持ってくるのは、そう簡単ではありません。それに高齢者に対しては、私は投資よりは貯蓄(預金)をおすすめします。

若者は時間があり、労働で稼ぐこともできますので投資に向いています。ですが、長期投資を盲目的に信じるよりは、投資すべきタイミングをうまく図ることが大切だと思います。


さて、本題


前置きが長くなりましたが、本題です。ペイオフで銀行が破綻しても1,000万円を超える預金を保護する方法です。

それは、「決済用普通預金口座」を開設して、そこに預ければいいのです。

決済用普通預金口座は、預金利息は付きません。ゼロです。その代りに、銀行が破綻しても預金保険で全額が保護されます。

いまの普通預金の利息はメガバンクで0.02%です。1,000万円を超える預金がすべてカットされる代わりに、0.02%の利息が付くのがいいか、0%の利息になるけど、1,000万円を超える分まで含めて全額が保護されるのがいいか、その選択です。

数千万円の預金があるなら、私なら通常の普通預金口座ではなく「決済用普通預金口座」にお金を預けます。0.02%の利息が付かないのは、それは安心料として許容できます。


メガバンクの決済用普通預金口座


メガバンク3行の決済用普通預金口座をご紹介します。もちろんメガバンク以外の銀行でも取り扱っています。

三井住友銀行
http://www.smbc.co.jp/kojin/yokin/kessai/index.html
専用ページでわかりやすいです。

みずほ銀行
http://www.mizuhobank.co.jp/saving/futsu_murisoku/index.html
専用ページでわかりやすいです。

三菱東京UFJ銀行
http://www.bk.mufg.jp/kouza/futsu/btm/
「普通預金[決済専用無利息型]」商品説明書をご覧ください。


預金賢者で預金をたくさんお持ちの方は、決済用普通預金口座も検討してはいかがですか。いますぐどこかの銀行が破綻するとは思えませんが、備えあれば憂いなしです。

万が一のペイオフへの備えとしては「決済用普通口座」、これ以上のものは見当たらないと言えるでしょう。