カテゴリ:読書感想文 の記事一覧

読書感想文 「ことりのおそうしき」

過去記事「ゾウは おことわり!」に続いて児童文学です。

文字が大きくて読みやすい。

あ、いや、文庫本サイズの文字が読みにくくなっているのではありません。(^^;


ことりのおそうしき


「ことりのおそうしき」の原文は "The Dead Bird" です。

直訳すると「死んだ鳥」なんですけど、子供向けの絵本としてはストレートすぎますね。邦題の「ことりのおそうしき」は少し柔らかなイメージになってます。

命の尽きた小鳥に焦点を当てるか、その後のお葬式に焦点を当てるか。

絵本を読むと、命の尽きた生き物に対して残された者はどうするかが描かれています。邦題の「ことりのおそうしき」はいい訳だなと思います。


命が尽きたあと


公園で遊んでいた子供たちが、ついさっき生命を終えた小鳥を見つけます。

最初は温かく生きているように見える小鳥も、だんだんと冷たく固くなっていきます。そういう様子をさりげなく、淡々と書いてあります。

子供たちは小鳥のためにお葬式をします。

花を摘んで、土を掘って、小鳥を埋めて、土を盛って、そこに花を添えます。


最初は毎日、そのうちときどき


中身のネタバレをご容赦ください。

小鳥のお墓を作った子供たちは、それからもやって来ては新しい花を手向けます。

で、私がそうだよねーと思ったのは最後の一文

はじめはまいにち、そのうちときどき、

やがていつしか、ことりのことをわすれてしまうまで。


です。


小鳥のことを忘れてしまうまで


他界した人、物理的に遠く離れたりして縁が薄くなった人は、だんだんと心の中から消えていきますね。

それが自然なことだと思います。

ただ、完全に消え去ることはなく、思い返したければいつでも思い返すことはできます。

生を終えた小鳥と、生命力あふれる子供たち。

生命を考える絵本でした。


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読書感想文 「ゾウは おことわり!」

ちょっとしたきっかけで児童書(絵本)を読みました。

読んでみるとなかなか奥が深いです。子供が読むものだから、ちゃんとした教育的な内容なんですね。普段は読まない本を読んで楽しかったです。

今回は、絵本の読書感想文です。


「ゾウは おことわり!」


主人公は小さな男の子とペットのぞうさんです。

男の子とぞうさんはとても仲良しです。

雨の日には、ぞうさんが男の子のために鼻で傘をかざしてくれます。優しいですね。

で、ぞうさんはちょっと臆病なんです。そのため男の子が、ぞうさんのために頑張る場面もあります。

どっちも散歩の日常のできごとです。

お互いの仲の良さが伝わってきます。


ところが


ところが、男の子とぞうさんに悲しいことが起きます。

楽しみに出かけたパーティに入れてもらえなかったんです。

「ゾウは おことわり!」なんです。

みんなペットと一緒に来ているペット同伴のパーティーです。しかし、像だけはお断りなんです。理由は分かりません。

男の子が悲しそうな顔をするのですが、パーティに入れない原因が仲良しのぞうさんなので、ぞうさんを気遣うんです。

で、ぞうさんも男の子を気遣います。


何の非もないのに


男の子もぞうさんも、自分たちには何の非もないのに、がっかりして家に帰っていきます。

男の子とぞうさんの気持ちを思うと切ない思いになりますし、その反動で「ゾウは おことわり!」に腹立たしさも感じます。

みんなで楽しめばいいじゃない。

って思いますね。


絵本のテーマ


この絵本のテーマは、「○○は おことわり!」の排他性だと思います。

ストーリーの詳細は書きませんが、最後は、男の子とぞうさんは楽しく笑って終わります。

「○○は おことわり!」を越えた先に、もっとたくさんの楽しさがあるんですね。絵本の作者はそれを伝えたかったのかなと思います。


おまけのひとこと


絵本のテーマは排他性を超えることなんでしょう。

で、そことは別に、私がいいなぁ~と思ったのは男の子とぞうさんの仲の良さです。男の子がぞうさんを思い、ぞうさんが男の子を思うところです。

「ゾウは おことわり!」

それを目にして、がっかりして帰るときのぞうさんの健気さが心を打ちます。ぞうさんが男の子のために頑張るんです。

泣ける絵本です。

読み方によっては。


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読書感想文 「電通マン36人に教わった36通りの『鬼』気くばり」

電通の過労死事件は、東京労働局が抜き打ち調査に入る状況に至っています。

それだけ問題があるという事でしょう。

講談社から2016年2月に出された「電通マン36人に教わった36通りの『鬼』気くばり」を読みました。書いたのは「ホイチョイ・プロダクションズ」です。

今回は、この本の感想文です。


36の「鬼」気配りの前に


36の気配りに入る前に、電通の4代目社長が作って電通の行動規範になっている「電通、鬼十則」を見てみましょう。(出典

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手々と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。


ん・・・

電通だから「鬼十則」ですけど・・・

新興のブラック企業の経営者が言ってもおかしくない内容です。

仕事に対して日々研鑽を積むのは、その人の内面から起きるから意味があると私は考えます。仕事に対して自信と誇りを持てるように、自然と仕向けるのが上司や経営者の役目で、それが人材育成ってことだと思うんです。


36の「鬼」気配り


さて、本題。

本に書かれていた36の気配りです。電通の営業マンにインタビューして書いているので、電通の社風や考え方を反映しているでしょう。

全部開示するのはマズイでしょうから、私が特に気になったいくつかを挙げます。


●名刺は1ミクロンでもいいから、相手より下から出す

相手が下から出そうが、上から出そうが、私は無頓着なんです。どっちでもいいじゃないって。上か下かよりも、「相手が受け取りやすい高さ」で出せば、それでいいと思うんです。


●得意先にタクシーで行くときは、100メートル手前で降りて歩く

プレゼン資料が入った袋を携えて歩いている姿を得意先に見てもらうためだそうです。いやいや、誰も見てませんって。


●会議室は最後に出る。建物は最初に出る。

お客さんが電通に来社したときの作法です。忘れ物を確認するために電通の人が最後に会議室を出る。そしてお客さんより先に建物を出て、お客さんのためにタクシーを用意する。電通の新人はこのように教わるそうです。

で、新人が「最後に会議室を出たら、お客さんより先に建物を出るのは難しいです」と言うと

先輩は、

ワープを覚えろ

と、言うそうです。


ワープを覚えるのが営業マン


冗談ならいいんですけどね。

その本には、ワープを覚えるのが営業だ!

みたいな内容が書いてあるんです。

ん・・・

無理が通れば道理が引っ込むの世界だな、というのが率直な感想です。


気くばりと作法の強制


本を読んでいて妙な違和感がありました。36の気配りは、

(顧客に対する)気配りと言うよりは、(社内に向けた)特定の作法の強制じゃないの?

という点です。

ハンコの押し方とかビール瓶の置き方とか、そういう作法を形式的にルール化したもので、一種の芸事のように様式美を追求しているのかなという気がします。36の気配りのすべてがそうとは言いませんが、多くは顧客志向というよりは、内向きのローカルルールの追求のように思えます。


思うこと


相手に対する気配りは、本来はもっと自然発生的なものだと思うんですよね。

相手によっても変わるし、状況によっても変わるので、型にハメなくてもいいと思うんです。いろんな作法があることで業務が複雑化し、労働時間も長くなるとしたら、あまりいい事ではないですね。

それに

みんながみんな、電通式に気を配って欲しいと思っているのかな。

先にも書きましたが、私は名刺を下から出されても気配りとは感じないんです。それより、取りやすい高さ、取りやすいタイミングで出してくれる人の方が気を配っているなと思います。

名刺の出し方の作法ひとつを取っても人によって感じ方は違うので、作法にこだわり過ぎるのは不健全だと思ってます。

就活のルールやビジネスマナーもそうですね。

誠意と礼儀があれば、あとは自然体でいいと思うんです。


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読書感想文 「杜子春」 芥川龍之介

秋の夜長の読書感想文です。

むかし学校で読んだ小説を読み直しました。「杜子春」は国語の教科書にも載っているので読んだことはあるのですが、記憶はだいぶ薄れています。「杜子春」と「羅生門」が重なったりしますし。

あれ、どっちだっけ?

仙人が杜子春、老婆が羅生門。

今回は、杜子春の読書感想文です。


ストーリーはシンプル


まず思ったのは、大人になってから読み直すことで、新たな感想を得るものだなという事です。

教科書で読んだこともあり、テレビのアニメでも見たことがある話です。描写の妙を除いて、ストーリーだけをとらえると比較的シンプルな内容です。

シンプルな話だけど、思うことはたくさんあります。

シンプルだから深い、と言うべきなんでしょうね。


お金より大事なものがある


金銭による贅沢な暮らしと、人間らしい正直な暮らしと、どちらに幸せがあるのかという点が一つのテーマです。

表面的にとらえると、

お金より大事なものがある。

ですね。


私が思ったのは、もう少し違います


杜子春は2回、仙人に会う前の「元は金持の息子」だったころを含めると3回、贅沢な暮らしを経験します。最初はいい家に生まれて、2回目は仙人の力で、3回目も仙人の力で。その間、酒池肉林の贅沢と、その後の尾羽うち枯らす生活に堕ちるのを繰り返します。

で、思うのは・・・

人は、一回では学びきれない事もあるよね。

ということです。

人は、同じ過ちを繰り返す。そういう弱さがあるでしょう。

もちろん一回で学び、仙人の力で贅沢になったときに質素倹約に励んで、そのまま老後まで過ごせばいいんですけどね。ただ、人はそう簡単にはいかないですよね。


沈黙を破る意味


あと、無言の行にも思うことがあります。

仙人は「たとひどんなことが起らうとも、決して声を出すのではないぞ」と言って、杜子春を一人にします。

外部のことに心を惑わされずに、沈黙して静かに自己を保つのは、キリスト教の修道士の修行にも、インドのヨガにも、日本の禅にもあります。

仙人が、杜子春に沈黙を課したのは、深く自己の内面に入っていかせるためなのかな

そうであるから、葛藤の末に杜子春が発した一言は、迷いのない、心からの一言なんだろうな・・・

そんなうがった読み方もできます。


ラストの仙人の言葉が素晴らしい


仙人には鉄冠子という名前があります。

鉄冠子は、「ではおれは今日限り、二度とお前には遇はないから。」と言い、杜子春から去るのですが

これに続いて去り際の最後の一言があります。

それが感動的です。

私が杜子春なら泣くでしょう。


最後の一言が気になる方は、こちらから杜子春をお読みください。
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なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか

読書感想文です。

「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」という本を読みました。市場が穏やかな事もあって最近は読書三昧です。

今回は、ルールについて


ルールに対する考え方の違い


スキーのジャンプや柔道など日本が強いスポーツでルールが変更されると、欧米人は自分たちが有利になるようにルールを変えてずるいなーという感情が起きます。

なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか。

そこには日本と欧米で「根本的な発想の違い」があるそうです。

ルール作りに参加するところから戦いが始まると考えるのが欧米人。

ルールは与えられるもので、ルールに沿って戦うことをよしとする日本人。

この違いだそうです。

なんとなくわかりますね。


興味深い点


この本の作者は青木高夫さん。ホンダのビジネスマンです。

だからビジネスの視点での分析が本筋です。

おもしろいのは、「ルールを変更した側が、必ず勝者になれるとは限らない」という実例です。

ルールが有利に働く方が当面は勝ちやすいのですが、長い目で見ると、新ルールに適応した側が巻き返すこともあるわけです。

ルールという制約条件の中で、どうやって最高のパフォーマンスを出すか。それがポイントなんでしょうね。


ルール作りに参画


日本人のメンタリティとして、ルールは与えられるもの(あるいは既にあるもの)で、変化しないものと考えがちです。

そういう面はありますね。

中学生のころ、ガチガチの古臭い校則が生徒手帳に書いてありました。長らく変更されることのない「ルール」の一つですね。


ルールを変えること


本の内容からは脱線しますが、小さな子が大きくなる過程でルールの変更を学んでいくそうです。

最初はルール通りにゲームしてそれで満足しますが、ちょっとルールを変えるとトリッキーになって面白くなることを発見すると、みんなが合意できればルールを変えちゃおうとなります。

私が小さいころに遊んだボードゲームで、日本全国を旅する双六ゲームがありました。

航空券とか新幹線や特急のチケットがあって、それを使うと一気に遠くに行けるんです。でも使える枚数には制限があって、いつどう使うかで展開が変わってきます。

で、今回は新幹線は廃止ね、とか、逆に飛行機も新幹線も全部乗り放題にしよう、とか、ルールを変えていきます。

話し合いでルールを変えていくというのは、自然発生的なことですね。本来は。


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面白い本でした。ルールを守ることと変えること。それを考えました。

人生のルール、生き方も守るところは守り、変えるところは変える。そんな感じがいいのかな。なんて思いました。

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