カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

「貯蓄から投資へ」から、「保険から投資」へ?

貯蓄性の保険は止めて投資しましょう、という記事を見かけることが増えました。

時代は、「貯蓄から投資へ」から、「保険から投資へ」に移っているのでしょうか・・・

今回は、保険と投資についての雑感です。

なお、基本的な考えとして、保険は必要な種類の保険に、必要なだけ加入するのがいいと思ってます。


保険を解約してiDeCo?


「『貯蓄型保険』には入らないほうが良い理由」という記事があります。[外部記事]

率直な感想ですが、貯蓄性保険は有無も言わさずダメで、iDeCoやNISAは誰にとってもいいもの、という前提が強すぎるなーと感じました。

本来、その人の置かれている状況で最適な方法は違うと思うのですが、おそらく誰がどんな状況で相談しても結論は同じで、保険を解約してその分をiDeCoやNISAで投資しましょうとなる気がします。

それでいいの?

という気がしました。


保険のあれこれ


まず保険に入り過ぎているのはデメリットですよね。

月払い保険なら長期的に資金拠出をコミットしないといけないので、家計の資金繰りが硬直化する恐れがあります。それに、死亡保障など保険本来の部分では、加入者が全体としては損する仕組みなので掛け過ぎは避けたいです。

で、貯蓄性保険を途中までやっている人はどうしたらいいでしょう。

元記事は保険に加入して1年という設定なので解約しても傷は浅いのでしょうが、では、加入歴が長い人にはどうアドバイスするのという問題も出てきます。なので以降は加入歴はニュートラルに考えます。

解約すると元本割れするのはデメリットです。安易に解約をすすめられるものではないと思います。

家計の資金繰りを圧迫している度合い、死亡保障の水準が大きすぎるのか否か、いま解約したときの受け取れる金額、今後の家計の資金状況、などによって答えは変わってきます。

少なくとも
それぞれの保険ごとに続けた方がいいのか、解約の方がいいのかを比較検討すべきですよね。

その際、
「4%で運用できたとすれば」とか、「複利で」とか、投資する方が圧倒的に有利になる前提は置かない方がいいですよね。


保険から投資へは、問題ないの?


今回引用した記事でもそうですし、過去記事「『なぜ保険に入ってはいけないのか?』が気になりました」でもそうですが、保険と投資を同列比較していいのか疑問です。

私は貯蓄性保険の投資採算性を考えるに、投資との単純比較はできないなーという思いを強くしています。

・保険を全部解約して、それでiDeCoやNISAで運用しましょう
・保険は必要ないから、その分を積立投資しましょう

というアドバイスは、相手の状況によっては不適切になりますね。

保険と投資では機能もリスクも違いますから。(^^)

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「なぜ保険に入ってはいけないのか?」が気になりました

ダイヤモンド・オンラインの「お金のウソを暴く!なぜ保険に入ってはいけないのか?」が気になりました。[外部記事]

セゾン投信の中野晴啓社長の連載記事です。

投資に誘導するのはポジショントークとしては理解できますが、ところどころ理解できない点がありました。

今回は、保険について


貯蓄型と掛け捨て型


保険にはあまり詳しくないので調べました。

「貯蓄型」と「掛け捨て型」の違いです。ライフネット生命の図が分かりやすかったのでそれを参考に概念図を作りました。[参照リンク]

940_insurance.png

さて、この図をもとに話を進めます。


理解できない点


元記事から主要部分を引用します。

死亡・高度障害時に保険金500万円が支払われるというプランを前提にして計算すると、掛け捨て型の払込保険料額は30年間で76万2000円、月にならすと2116円程度です。これに対して貯蓄型の場合は376万3800円でした。


さて、ここから少し込み入った話になります。しばらくお付き合いください。

まず、整理しましょう。
保険料
掛け捨て型:2,116円(月額)
貯蓄型:10,455円(月額)(376万3800円を360ヶ月で割った数字)

満期返戻金
掛け捨て型:0円
貯蓄型:400万1000円

さて、これをもとに中野氏は、貯蓄型の利回りを「年0.405%」としています。

ん?


中野氏の計算式


毎月、10,455円を30年(360ヶ月)支払って、満期時に400万1000円を受け取る取引を考えます。

そのときの月次の利回りをIRRで計算します。

そうすると0.0337%

これを年率換算すると、0.405%です。

中野社長の結果と同じです。


疑問が・・・


私の疑問ですが、毎月10,455円を30年(360ヶ月)支払うと計算は合うのですが

10,455円のうち、2,116円は掛け捨て部分じゃないの?

という疑問がわいてきました。

貯蓄に回っている金額は、毎月の10,455円から掛け捨ての2,116円を除いた、8,339円ではないでしょうか。

ここらへん、詳しい方がいたら教えていただきたい部分です。m(_ _ )m

さて、貯蓄性の基準になる金額を、毎月8,339円としたときどうなるか。

同じ計算で、月次IRRは0.1531%になります。

年率換算では1.853%です。


ちょっとまとめ


貯蓄性の保険で月次保険料が10,455円。

10,455円をベースに利回りを計算すると、年率0.405%

月次保険料が10,455円のうち、2,116円は掛け捨て部分、残り8,339円を貯蓄性の保険料とみなして、

8,339円をベースに利回りを計算すると、年率1.853%

さて、どちらで考えるべきなのでしょう。


思うこと


利回りの考え方でどっちがベターなのかは現時点では分かりません。

損得勘定をちゃんと計算するなら、掛け捨ての部分での期待値まで計算しないといけないとは思いますが、それはそれとして、前者の年率0.405%でも悪くはないと思います。

まあ、ここまで計算してみて、保険の利回りを計算するのは難しいな・・・というのは分かりました。


蛇足ながら


発生する頻度は低いけど、発生したときの被害が大きい事象に対して、リスクを移転するのが保険の役割です。

発生する頻度と、被害の大きさの「両方」を考える必要があります。

元記事で気になった点を引用します。

あくまでも確率の問題ではありますが、20歳から65歳までは、死亡する確率が非常に低いので、保障は全くといって良いほど必要ないと思います。それよりもそのお金を運用して、長生きに備える方が合理的ではないでしょうか?


ん・・・

仮に、災害や事故の発生確率が非常に低いとして、それが起きたときに何百、何千、何万人も被害に遭うとします。そのとき、電力会社や鉄道会社、航空会社が

そんなことが発生する確率は非常に低いので、対策は全くといって良いほど必要ないと思います。それよりもそのお金を運用(投資)して、ビジネスを拡大させたほうが合理的ではないでしょうか?

なんて言ったら

え?ちょっと違うでしょう・・・と思いますね。

起きて欲しくないことが起きたとき、損失を金銭的に補償するのが保険です。保険の必要性は、投資とは切り離して考えたほうがいいですね。

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言いなり投資に思うこと

「証券会社の”言いなり投資”から義父の資産を守るには?」という記事がありました。
[外部記事]

証券会社、言いなり投資、義父の資産・・・ 気になる単語が揃ってますね。

今回は、「言いなり投資」に思うことです。


相談内容


記事にあった相談内容を引用します。

義父は80歳を超えていますが、資産運用に積極的です。資産に十分な余裕があるようなので、別にかまわないのかもしれませんが、ほとんど証券会社のいいなりに売り買いしているようです。「NISAをしないと損だ」と、よくわからない株を買って、結局値を下げたり……。

高齢者の資産管理はどのようにすればよいのでしょうか。ちなみに義父の子供である私の主人は亡くなっており、相続人になりうるのは義母と孫二人です。
(50代 既婚・子供2人 女性)


さて、どうでしょう。

高齢者の資産管理はどのようにすればよいのでしょうか、という質問にはFPの方が答えています。そちらは元記事をご覧ください。ここでは「証券会社のいいなり」に絞って私の感想を述べていきます。

年齢は気にせず一般論としての「言いなり投資」です。


言いなり投資


証券会社の言いなりで投資するのは良くないことでしょうか。

一般的には良くないですよね。

では、なぜ良くないのか。

良くないとする理由によって基本的な考え方が分かれる気がします。


言いなりが良くない理由


第1の理由:
投資は自己判断で行うもの。自己責任の原則に反するから。

第2の理由:
言いなりだと証券会社にカモにされるから。ぼったくられるから。

もちろんこれ以外にも答えはあるでしょうし、1と2は排他的ではないので、両方ともという答えもありです。

ただ、どちらにより軸足を置くかです。


私が重視するのは


私は、第1の理由を重視します。

投資は自己判断で行うもの。なので、自分で判断せずに言いなりになって取引するのは良くないなーと思います。

逆に言うと、証券会社の社員や銀行員と話しをする中で、自分でいいねと判断したのなら、結果として言いなりに見えても、それはそれでいいという考えです。

自分で判断して、自分で納得しているのならOKなわけで、そうすると第2の理由は重要でなくなります。


言いなりでカモられる説


第2の理由を重視する人もいます。

証券会社の言いなりで投資すると、証券会社を儲けさせるだけで投資家が食い物にされる。ぼったくりファンドをはめ込まれて・・・というストーリーです。

たしかに、投資家を食い物にする証券会社(や銀行)は非難されるべきですが、金融機関を非難するだけで終わっていては日本の投資文化はそこまでですね。

コストも含めて投資対象ファンドの内容をしっかり理解して、自分で最終判断を下すのは投資家がやるべきことです。

それをやらずして食い物にされるなら投資家にも問題はありますね。


思うこと


今回見かけた記事は、高齢者の資産運用のあり方や、義父の資産を義娘がどこまで心配する必要があるのか、といった点もあります。ただ、そこまでいくと話しが拡散するので今回は「言いなり投資」に絞りました。

言いなり投資かどうかは

1. 投資の意思決定を、他の人の判断に全面的に頼っているか
2. 他の人の話しを聞きながらも最後は自分で判断し、納得しているか

で違いが出てきます。

で、元記事の80歳の義父がどっちなのかは分かりません。

1か2かは最終的にはご本人にしか分からないでしょうね。(^^;

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金融庁と毎月分配型と販売手数料 道具と行為について

金融庁が毎月分配型投信を問題視している。

そう言われてますね。

でも、ちょっと違和感があります。

今回は投信の手数料について


投信の手数料


投信の手数料を分解します。対象は「新光 US-REITオープン (愛称:ゼウス)」です。

投資期間を5年間として総コスト(税抜き)を計算します。信託財産留保額は考慮しません。

1.販売手数料:3.00%
2.信託報酬
 2-1委託会社:4.25%(0.85%×5年)
 2-2販売会社:3.00%(0.60%×5年)
 2-3受託会社:0.40%(0.08%×5年)

合計で10.65%です。1年あたりにすると2.13%です。

で、今回問題にしたいのはこの水準が高いのか、という点ではありません。


ポイントは


問題のポイントは、ゼウスの場合

販売手数料 = 信託報酬の販売会社の取り分の5年分

ということです。

売買での利益 = ストックでの利益の5年分

これでは回転売買に励みますよね。ストックビジネスではなくて。


行為と道具


金融庁が毎月分配型や高コストの投信を批判しますが、より明示的に「販売手数料」に切り込むべきですよね。

もちろん販売手数料も問題視しているのでしょうが、毎月分配という形態に注目が集まっている気がします。毎月分配が問題なのではなく、受けのいい毎月分配型(やテーマ型投信)を使って「回転売買」させるのが問題ですよね。

問題は、回転売買(乗り換えの推奨)という行為で、毎月分配はその道具なわけです。

メディアや識者の論調が、道具に目を向けすぎなのでは?と思うときがあります。行為と道具は分けて論じるべきですね。


思うこと


先に見たように、ストックで5年かかる分を販売なら一気に稼げます。

当然、インセンティブ構造としては販売に向かいますね。

金融庁が本当に切り込むべきは、販売手数料でしょう。

もっとも、合法の投信で手数料は明示されていて、投資家は自己判断で投資するのですから、原則は投資家の自己判断だと思っています。(金融庁が切り込むなら、ファンドの形態ではなく、販売する側のインセンティブ構造に切り込むべきという考えです)

最終的には投資家の自己判断ですが、とはいえ、保険の銀行窓販もそうですが、投信の販売でも、金融庁はどこまで「販売による手数料」に切り込めるのか(切り込む気がどのくらいあるのか)は気になります。

積立NISAでノーロード、低コストの投信を推奨するやり方は理解できますが、積立NISAの認知度は低くてインパクトは小さい気がしますね。

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インデックスの安売りと アクティブのぼったくり

インデックスファンドの低コストは、ぼったくりのアクティブファンドのおかげで実現しているという論があります。

実際どうなんでしょう・・・

検証してみました。

今回は、信託報酬料率について


検討の対象


検討の対象にしたのは、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(SVGB)」です。

組み入れファンドのバンガードの料率ではなく、セゾン投信が収受している信託報酬料率に目を向けます

セゾン投信にしたのは事業ポートフォリオが簡素だからです。品揃えがSVGBの他に「セゾン資産形成の達人ファンド」だけという、分かりやすい構成なので分析がしやすいのです。

ビジネスとしての資産運用業という視点でセゾン投信の財務分析をします。


状況確認


SVGBの信託報酬率は、年0.68%±0.03%(税込み/概算)です。

このうち、セゾン投信の取り分は0.42%(税抜き)です。
(0.46%に対して、受託の0.04%を控除)

SVGBに似たファンドとして、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」を持ち出します。

eMAXIS Slimの信託報酬率は、年0.22%(税抜き)です。

SVGBの0.42%に対してeMAXIS Slimは0.22%です。

厳密に考えると信託報酬は委託、販社、受託に分かれます。eMAXIS Slimの委託(運用会社)の取り分は0.10%、販社0.10%、受託0.02%ですが、そこまで厳密にしなくても、ざっくり0.22%の計算で今回の検証は事足りると思っています。(厳密にしても結論が大きく変わるわけではないという意味です)


検討のポイント


SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率だとしたら経営は成り立つのか。

それがポイントです。

試算の前提として、SVGBの信託報酬率だけを変えます。「セゾン資産形成の達人ファンド」の料率は変えません。

整理するとこうなります。

931_cost1.png

SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率なら、セゾン投信全体で見たときの料率が0.473%→0.298%になります。


経営は成り立つか


SVGBがeMAXIS Slimと同じ信託報酬率ならどうなるか。

経費は変わらないとしてこうなります。

931_cost2.png

収入が6.7億円から4.2億円に減ってしまい、営業の経費や人件費を差し引くと1.7億円の赤字になってしまいます。

これではビジネスが成り立ちませんね。


事業ポートフォリオ


セゾン投信のSVGBの0.42%がeMAXIS Slimと同じ0.22%になったら、セゾン投信は経営が成り立たないでしょう。

仮に、「セゾン資産形成の達人ファンド」の資産額がもっと多くて、もっと料率が高ければどうでしょう。

そうであるなら、「セゾン資産形成の達人ファンド」からの利益を当てにして、SVGBの料率引き下げは可能になりそうです。

事業ポートフォリオで考えるとそうなりますね。

他のファンドで儲かっているなら、それをバッファーにして別のファンドでコスト引き下げができます。


インデックスとアクティブの料率


インデックスファンドやインデックスファンドを組み込むバランスファンドの中には、ファンド単体で見たら採算割れしているものがあるでしょう。

でも、投資家としては関係ないですよね。

一方、アクティブファンドは「ぼったくり」かというと、まあ、そんなネガティブな言葉を使わなくてもいいと思うんです。料率は明示されている明朗会計ですから。

それに、見てきたように

セゾン投信のように、事業ポートフォリオの余裕の小さいところは価格競争しにくいです。アクティブで利益を出している投信会社の方が、インデックスの料率を引き下げやすいという考え方もできます。


思うこと


コストにおけるインデックスとアクティブの関係性です。

インデックスとアクティブを強く結び付けて、低コストが実現するのはアクティブのおかげと言う必要はないですね。

実体はそういう面があるにしても投資家には関係ないので。

それと同時に、

インデックスとアクティブをまったく切り離して、アクティブは「ぼったくり」と批判する必要もないでしょうね。

まったく切り離せるものではないでしょうから。

そんなことを思いました。

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