カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

積立投資とアセットアロケーションの変化について

ライフサイクルと積立投資の利益確定について」の続編のような記事です。

iDeCoのように積立のバイ&ホールドで投資しているケースを考えます。

今回は、売ることについて


リスク許容度


一般的には年齢が高くなるとリスク許容度が低くなります。

なので、教科書的にはライフサイクルの進展に伴い、アセットアロケーションで無リスク資産の割合を増やして、リスク資産を薄めていけばいいわけです。

で、問題は・・・

何歳ごろから、どうやって薄めていくか、です。


コツコツ積立のバイ&ホールド前提


検討の前提を積立のバイ&ホールドとしましょう。言葉の定義は以下です。

積立とは、ドルコスト平均法による定期・定額買付
バイ&ホールドとは、投資期間中に売らないこと

要は、定期・定額で積立投資をしながら、売らずに、無リスク資産とリスク資産の比率を調整していきます。

そのためには、何歳ごろから、どういう投資行動を取ればいいかを検討します。


イメージ図


まずはイメージ図です。

アセットアロケーション 小黒とら

40代後半から徐々にリスク資産の比率を下げて、無リスク資産(安全資産)の比率を上げていきます。

直感的には、おかしくない図ですよね。

で、実際にこうしようとすると、どういう投資行動を取ればいいか・・・

わりと意外な結果です。


検討の前提


話を簡単にするために、以下の前提を置きます。

1. リスク資産の時価変動は考慮しません
2. 年齢による積立額の増減はありません
3. 25歳から60歳まで、毎年10万円を積み立てることにします


さて、どう投資すればいいか


25歳から45歳までの20年間はかんたんです。

リスク資産:無リスク資産 = 50:50 になるように積立投資すればいいので、毎年5万円:5万円で積み立てればいいですね。

では、46歳から60歳は・・・

リスク資産:無リスク資産 = 0万円:10万円です。

つまり、最後の15年は全額、無リスク資産に投資することになります。

それによって60歳時点のポートフォリオは、リスク資産:無リスク資産 = 3:7になります。


ちょっと解説


当初の20年間(25歳~45歳)で

リスク資産:100万円(5万円×20年)
無リスク資産:100万円(5万円×20年)

です。

46歳~60歳の15年間で費やせる金額は150万円(10万円×15年)です。150万円すべてを無リスク資産に投入すると、60歳時点では

リスク資産:100万円
無リスク資産:250万円

となります。

この比率はだいたい3:7です。(29%:71%)

25歳から45歳までの20年間の重みがあるので、残り15年は全額を無リスク資産にしないとリスク資産のウェイトを落とせないんです。


検討


45歳まで50:50で積み立てて、46歳からは0:100というのは非現実的ですね。

ドルコスト平均法のメリットがなくなってしまいます。

それに若いころに100:0とか80:20でリスク資産に積み立てたり、50歳以降にポートフォリオの変更を考えると、売らないでアロケーションを調整するのは不可能でしょう。

バイ&ホールドとリスク管理の両立は難しいと思います。


思うこと


リバランスでの売り、リスク許容度の変化による売り、相場観による売り・・・

いずれの名目でも、リスクを落とすなら「売ること」は避けられないと思います。

なので、私は名目は何であれ、売りたいときに売るのがシンプルな考え方だと思います。iDeCoならリスク資産を売って定期に入れる(スイッチングする)とかです。

売りたいときに売る、買いたいときに買う。

それでいいと思うんですよね。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

神は、氷の冷たさでサイコロを振る

サイコロの期待値は3.5とは限りません。

何回振っても、何万回振っても、期待値(=平均値)が3.5にならないサイコロがあります。

今回は、サイコロの期待値と投資について


サイコロの期待値


サイコロの期待値は3.5とは限らないというのは、サイコロの形状です。サイコロは立方体とは限りません。正二十面体のサイコロもあります。

正二十面体のサイコロ
20-sided_dice_250.jpg
画像出典


サイコロの形状


正二十面体のサイコロをたくさん振ったときの平均値(=期待値)は10.5です。

たくさん振ることで平均値に収れんするのは「大数の法則」ですね。

で、株式投資で考えると・・・

自分が振っているサイコロが正二十面体なのか、正十二面体なのか、正六面体(立方体)なのか分かりませんね。それに、正多面体ではなく歪んだサイコロかもしれません。

株式投資は、サイコロの形状が分からないゲームという側面もありますね。


さらに難しいのは


サイコロの形状が分からないだけでなく、時間とともに形状が変わるかもしれません。

それに、形状はそのままでも目の数が変わるかもしれません。

株式市場を、時間とともに形状や出目が変化するサイコロとみなす考え方は一考に値すると思います。

そうであるなら、いい目が出やすいときにたくさん賭けて、いい目が出にくいときはあまり賭けない。そういう挑み方もあるでしょう。


神様とサイコロ、余談


本日のタイトル「神は、氷の冷たさでサイコロを振る」はABBAの歌詞から取りました。

曲名は「The Winner Takes it All」です。そこにある一節

The gods may throw a dice,Their minds as cold as ice
神は氷のような冷たい心でサイコロを振る。

The winner takes it all, the loser has to fall,
It's simple and it's plain, why should I complain.
勝者はすべてを取り、敗者は敗れ去るのみ。
それはシンプルで簡単なこと。文句を言う余地もない。

蛇足ながら
ABBAの曲は恋愛の勝者と敗者を歌ったものです。投資をテーマにしたものではありません。

ん・・・

投資より恋愛の方が厳しそうですね。(^^;

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

高値更新の記事(前回記事)の追記

前回記事:投資で「次の山はいつごろ来るか」についての追記です。

試算の概念図が誤解を招きそうでしたので追記します。


ケース1


前回記事の例です。

小黒とら

高値の観測を30年間にしています。この図では高値が早い時期にあります。

でも、それはたまたまです。


ケース2


こういうケースもあります。

小黒とら


ケース3


こちらはわりとイメージに合うケースです。

小黒とら

こういうパスを1万回発生させての集計です。


観測期間を30年としたのは


高値の探索を当初30年としたのは、30年あれば期待リターンとリスクに沿ったパスになって高値がバラけると思うからです。

ちなみに、年3%で資産が成長する前提での試算なので、観測期間を長く取るほど高値が実現しやすいです。で、前回記事ではたまたま早い時期に高値が実現しましたが、1万回のパスでは、高値はあとの方に実現する傾向があります。

念のため補足説明でした。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

投資で「次の山はいつごろ来るか」について

株式投資では、上がったものは下がり、下がったものは上がる傾向があります。

長期的には右肩上がりだとしても、中短期的には過熱気味に買われたり、安値でも叩き売られたりします。熱狂と悲観の間を揺れ動くのが相場なんでしょうね。

さて、今回は、高値更新について


高値更新


「NYダウが史上最高値更新」とか「ナスダックが15年ぶりの高値更新」とかがニュースになります。

高値更新はうれしいですね。

前回の相場で高いところで投資した投資家も、何年か待てば高値更新で報われますから。

で、問題は、高値更新を待てるかどうかですね。


試算をモデル化


期待リターン3%、リスク15%の資産とします。

シミュレーションで1万回のパスを発生させて集計します。

概念図を見ていただきましょう。オレンジ点が高値です。

小黒とら

1. 30年を観測期間として、その間の最高値を見つけます。(オレンジ)
2. その最高値から10年以内の最安値を見つけます。(赤)
3. その最安値をスタート地点にします。
4. そこから「1」の高値を抜く時点を見つけます。

これを1万回繰り返して集計します。

面倒ですね。(^^;


結果はこうなりました


やってみたところ、結果はこうなりました。

小黒とら

横軸は年数。縦軸はその年数以内に高値更新する確率です。

安値を付けてから20年かけても、戻る可能性は6割くらいです。

40年かけても8割に若干届かないくらいです。

期待収益3%なので、40年かけると10,000円が33,000円になる計算なんですけどね。


思うこと


前提の置き方によって結果は変わります。なので、一つの考え方として留めてください。

期待収益率がプラスなら、時間をかければ複利の効果で高値更新の可能性が高まります。今回の試算では100年以内に高値更新は94%、300年以内なら99.6%でした。

ただね、と。

そこまでは待てないです。

心情的には信じて待つことができるかもしれませんが、生物的に寿命が来てしまいます。

信じて待つことで、生きている間に報われなくてもOKなものはあるんですけどね。

ただ、私の場合、投資の成果はOKなものには入りません。(^^;

追記:高値更新の記事(前回記事)の追記

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

株式投資で利回り5%を見込めますか?

昨日の話題「ライフサイクルと積立投資の利益確定について」の続きです。

長期投資で市場の流れに身を任せるのもいいですが、ちょっと考えたいこともあります。

今回は長期投資の期待リターンの時系列変化について


前回の投資の前提


前回試算したデータをもう一回使います。

再利用。エコですね。

MSCIワールドとMSCI日本の指数を半々に投資したケースです。

30年間のドルコスト平均法による積立投資です。今回は毎月1万円にしました。年12万円。30年で360万円の積立てです。


時系列変化にご注目


さっそく図を見てみましょう。

ドルコスト平均法 小黒とら

グラフの軸の1999は、1969年12月から1999年12月の30年間、毎月1万円投資した時の出来上がりの資産額です。

さて、この図から何を感じ取りますか。

私は、株式投資のリターンは低下しているよね

ということを感じています。


リターンの計測


先ほどの図の緑は5%のリターンで実現できる資産額(837万円)、赤線は2%リターン(496万円)です。

計算の簡略化のため年12万円の拠出で計算しました。

図を見ると・・・

株式投資の長期的な期待リターンは5%だ!

というのはやや楽観的かなと思います。


まとめ、のようなもの


過去からの推移をみると、投資による期待リターンは低下しているように思えます。

経済状況は変化していきます。

世界経済の成長率鈍化、インフレ率鈍化の傾向を踏まえた投資という見方も必要かもしれませんね。

私も世界経済の長期的な成長は見込んでいます。

ただ手放しでの楽観ではなく、慎重に楽観(cautiously optimistic)なスタンスです。

ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ