カテゴリ:投資や投機や貯蓄について の記事一覧

SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ ファンドの投資判断

SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ ファンドについて考えてみました。

このファンドは日経でも「個人向け投信、損失限定 三井住友銀」として取り上げられました。[外部記事]

今回は、SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ ファンド(愛称:あんしんスイッチ)についてです。


SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ ファンド


まず、このファンドの有価証券届出書を見てみました。[EDINET]

思ったのは・・・

このファンドが魅力的かどうかは、このファンド内でどのくらいのリスクを取るかだなー

ということです。

たくさんリスクを取ってくれれば魅力的ですが、あまりリスクを取らないようだと魅力は低下します。


ファンドの運用戦略


おそらくCPPI(Constant Proportion Portfolio Insurance)の戦略を取るのかなと思います。

CPPIはポートフォリオ・インシュアランスと呼ばれ、相場が下落する(損失が増えていく)局面ではリスクを落として、損失を一定限度に収めようとします。逆に相場が上昇する局面ではリスクを引き上げていきます。

当ファンドは、当初の基準価額10,000円に対するプロテクトラインが9,000円です。基準価額が上昇するとプロテクトラインも引き上がるのですが、とりあえず投資してすぐに基準価額が下がることを考えましょう。

投資してずるずる下がる局面ではリスクを落としていき、基準価額が9,000円に近づくところでは、リスク量はだいぶ小さくなっていると想像できます。

繰り上げ償還するケースでは、基準価額9,000円を守るためクレディ・アグリコルの保証が付きます。


保証料の0.22%の妥当性


クレディ・アグリコルの保証は、リスクを取ったまま下落した分を無制限に保証するのではなく、だいぶリスクを落とした後で9,000円を下回った分を保証する意味合いが強いでしょう。

なので、プットオプションのプライシングがそのまま使えるわけではありません。しかも、プレーンバニラのプットオプションではなく、途中で9,000円を下回ったらそこで終わる(時間価値が前途無効になる)オプションです。

とはいえ、参考までに

ボラティリティが5%で期間1年、リスクフリーレートはゼロ、配当は考えない、権利行使9,000円のプットオプションの価値は

原資産10,000円に対して、3.01円 (0.03%)です。

これに対して保証料0.22%は払いたくないですね。


保証料はリスクの対価


ボラティリティが10%なら、要はそれだけのリスクを取ってくれたら、そのときのオプション価値は

原資産10,000円に対して、71.2円 (0.71%)です。

これだけリスクを取ってくれるなら保証料0.22%はいいですね。

保証料0.22%は、どれだけのリスクを取ってくれるか、そのリスク量に対する対価だと考えるのがいいと思います。


どのくらいのリスクを取るか


届出書からの抜粋です。

900_protectionfund.png

これを見ると「短期金融資産等」と「債券」が多いですね。

外貨資産は為替ヘッジを原則とするので全体的にはリスクは抑え気味な気がします。

繰り返しですが、SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ ファンドは、このファンドがどのくらいのリスクを取るかによって魅力的かどうかが決まります。

あまりリスクを取らないのなら、9,000円を割るリスク(10%下落のリスク)はそもそも可能性が低いわけですし、逆に、それほどリターンも期待できないということですから。

どのくらいのリスクを取るか。どのくらいのリターンが見込めそうか。それに対して信託報酬(保証料を含む)は妥当か。

3つの面から検討したいですね。

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積立投資に驚きの結果? 月中最安値で投資したらどうなるか

積立投資の頻度について、毎月1回でも毎日でも結果には大差ないという結果が日経に載っていました。

では、頻度は同じで毎月末に投資するのと、タイミングを狙って月内の最安値で投資するのと、その違いはどうなるかな・・・

気になったので検証してみました。


バランス型投信で検証


比較的長いデータが取れるのでセゾン投信のバランス型投信で検証しました。

毎月末で投資したケース、月内の最安値で投資できたケース、月内の最高値で投資してしまったケースです。毎月1万円、10年間で120万円が投資資金です。

まずビジュアル。

ドルコスト平均法 小黒とら

大差なさそうですね。(-_-;


検証した結果


2007年3月末スタート(最安値の判定は2007年4月から)で計算したところ以下の結果になりました。2017年3月末で評価しています。

毎月末:1,703,000円
月中最安値:1,751,000円
月中最高値:1,666,000円

10年という長期で買い付け時期を分散させると、買付け単価は大きな市場の流れで平準化されていくので、月内のタイミングは効果が薄くなりますね。


別の角度から


先ほどは実ファンドの実例でした。

今後は、期待リターン3%、リスク15%のリスク資産に投資したケースを想定して、モンテカルロシミュレーションで分布を見ます。

毎月末で投資したケースと、毎回ピタリと最安値で投資できたケースの比較です。

ドルコスト平均法 小黒とら

横軸は投資成果(万円)です。

投資成果の(潜在的な)分布は上のようになっています。

大差ないですね。(-_-;


まとめ


ドルコスト平均法で投資するなら、月内でタイミングを計っても効果は薄いという結果でした。日々の動きに一喜一憂する必要はないということなんでしょう。

ドルコスト平均法は、投資対象がどういう経路を辿るかの影響が大きいので、買い付ける頻度やタイミングはあまり気にしなくていいんでしょうね。

過去記事:投信のリターンと損益の関係 ドルコスト平均法の場合

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コストは私にはスタートだったの、あなたにはゴールでも

入梅前ですが、夏を感じる日がありますね。

今回のタイトルはJ-WALK「何も言えなくて・・・夏」のパクリです。

今回は、投資のスタートとゴールについて。


スタートとゴール


ある地点をスタートと考えるか、そこをゴールと考えるか。

その視点は大きな違いを生みます。

たとえば入試です。

目指す学校に入学できたとして、それをゴールと考えるか。それとも、そこからがスタートと考えるかは大きな違いです。入試に限らず就職でも同じですね。

ゴールならそこで終わり。

スタートならそこからが始まりです。


筆者が正しいと思うこと


気になるウェブ記事がありました。引用します。[外部記事]

教材に、仮に、「投資信託の選択では、手数料が最も重視すべきファクターであり、『手数料は高いけれども、運用が上手いアクティブ・ファンド』というような都合のいいものを選ぶ方法はありません」と正しいことが書いてあっても、金融機関の投資教育係が、これを適切に伝えるとは、とても思えない。


「正しいこと」かどうか・・・

慎重を期すなら、

「筆者が正しいと思うこと」

とすべきですね。


コストはゴール?


さて、記事の筆者が正しいと思うことが、「投資信託の選択では、手数料が最も重視すべきファクター」であるとします。

世の中にはコスト至上主義、コスト絶対主義の考え方もありますが、私はその考え方には違和感を覚えます。

コストの低い投資信託を選ぶことが投資のゴールと錯覚する人が出てくるからです。

コストの低い投資信託を選べばそれでいいと思ってしまい、それ以上は考えない。そうすると実質的には思考が停止するゴールイン状態です。

一方、コストを考慮するのは投資のスタート地点という考えもあります。リターンを考えて、リスクを考えて、コストを考えて、それで投資がスタートし、継続するという考えです。


少なくとも4ファクター


投資を考えるには少なくとも4つのファクターがありますね。

1. 期待リターン
2. リスク
3. リスク回避係数
4. コスト

1は予想できない、2はよく分からない。3は投資家によって異なる。だから投資信託の選択ではコントロールできる4だけに注目すればいい。

一見するともっともですが、リスク資産に投資する以上、その考えは1から3を軽視(あるいは無視)したものです。


投資理論では


現代ポートフォリオ理論では、投資の効用を平均分散型効用関数として、次のように定式化します。効用とは満足度みたいなものです。

U = E - λVar - C

Uが効用(Utility)、Eが期待リターン(Expected return)、λがリスク回避係数、Varがリスク(Variance)、Cがコスト(Cost)です。

この式の意味するところは、

期待リターンが高くて、リスクが小さく、コストが低ければ、満足度は高い

という、自然な感覚を表しています。

なお、リスクの感応度は人によって違うので、そこはλ(リスク回避係数)で調整します。EとVarとCは投資信託によるファクター、λは投資家によるファクターです。


投資してからがスタート


コストはいくつかあるファクターの一つに過ぎません。最も重視すべきファクターなのかどうかは、人によって重み付けは違うでしょう。コストは大事ですが、大事なものはそれだけではないですね。

コストの低い投資信託を選ぶことで満足し、思考的にはゴールイン状態になるか。

リターンを考えて、リスクを考えて、コストを考えて、それで投資がスタートし、継続すると考えるか。

どちらも一つの考え方ですね。

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複利効果、再投資効果の点からは、リバランスはどうなんでしょう

日経平均が20,000円を超えましたね。

このところ株価が堅調なので資産が増えている方もいると思います。

リスク資産と安全資産(あるいは株式と債券)の比率を管理している方は、リスク資産の比率が高まっているかもしれません。そこでリバランスということになるのかもしれませんが・・・

頭の整理ができないことがあるので、それを書きます。


まず、おことわり


いまの株価は日米ともに高値圏だと思ってます。

なので、株式のウェイトが高まっていて、いまの株価が高値圏かなーと思われる方は、ある程度売って様子を見るのはいいと思います。

今回の記事は、私の中で理論的に腑に落ちないことを書くのが目的です。

リバランスをしない方がいいという意見ではありません。


長期の複利、再投資効果


長期投資をすすめる人の中には、複利効果をメリットとして挙げる人がいます。

定期預金の元加継続なら利息が元金に組み込まれ、次の期には(利息+元金)に対する利息が生まれます。元金なら利息だけですが、元加で定期預金を続けると、子利息、孫利息・・・が生まれますね。

複利効果とは、定期預金なら利息、リスク資産なら投資で増えた分(果実分)の再投資による効果です。


その逆として


毎月分配型投信は複利効果(再投資効果)がないので長期的な投資には向いていない。

と、こういう主張をよく見ます。

毎月の分配をもらってキャッシュに寝かしておくと再投資効果が得られないということですね。


ここまでをざっくり整理すると


長期投資で資産形成するには、複利効果・再投資効果を味方につけるべき。

そのためには、定期預金の元加継続のように、投資で得られた果実は再投資に回すべき。

ということになりますよね。


リバランス?


ここへきて頭を悩ませるのがリバランスです。

私はリバランスで売るという発想がないんです。そもそも、リスク資産と安全資産の比率は管理していないですし、資産配分もポートフォリオも、計画があってそれに沿ってやっているわけではありません。

まあ、いい加減なんですね。その点は。(^^;


疑問1:再投資効果とリバランス


長期投資で複利効果・再投資効果を得ようとするなら、できるだけ果実は再投資した方がいいのではないでしょうか。

リバランスをせずに、そのままリスク資産で投資を続けた方が再投資効果は高まるはずです。

投資の本などでは長期の複利効果を述べる一方で、リバランスの必要性も述べています。私にはどうもしっくり来ません。


疑問2:平均回帰性とランダム性


上がった株は下がるから、リバランスした方が効率が高まるという論点があります。

その論点では、相場の平均回帰性と、ランダムウォーク論(マルチンゲール性)が両立しないです。

相場がランダムで予測不可能と考えるなら、リバランスの効果も純粋にランダムな結果論に過ぎず、そうであるならやった方がいいともやらない方がいいとも言えないですね。


疑問3:リスク許容度


リスク資産の比率が高まると、リスク許容度を超えるからリバランスした方がいいという論点もあります。

ただ、その実質的な影響度はどうでしょう。

株式のリスクが標準偏差で20%とします。安全資産はリスクゼロ。株式と安全資産の相関はゼロとします。

基本の比率を、50:50とします。
 このときのポートフォリオは、リスク10%です。

株式の調子が良くて20%上昇していたとします。

現状の比率は、55:45となりました。(60:50の百分率表記)
 このときのポートフォリオは、リスク10.9%です。

リスク10%と10.9%。

それほど大きな違いでもなさそうです。リスク許容度の点からリバランスというのもしっくり来ません。


結局のところ


いろいろ考えましたが、結局のところリバランスの効果のほどは分かりません。

やった方がいいのか、やらない方がいいのか、やってもいいのか、やらなくてもいいのか。

いまの私には明確な回答はないです。

暫定的に・・・

やってもいいし、やらなくてもいいんでしょうね

です。

答えになってないですね。(^^;

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本当の顧客本位とは?

東洋経済オンラインの草食投資隊の記事を読みました。[外部記事]

草食投資隊はフィデューシャリー・デューティーとか投資家との対話とか、そういう取り組みに積極的だと思うのですが、

ん・・・

本当に顧客本位なのだろうかと思える内容です。

今回は、この記事の読書感想文。辛口で。


利回り10%?


記事の中ではバラ色の投資を想定しています。

渋澤:月10万円(年間120万円)を10年間積み立てて、年平均5%の利回りで運用できれば、10年後の資産は1552万8000円です。もし10%で運用できれば、2048万4000円。60歳になった時点で2000万円あれば、まあ何とかなるかもしれない。

中野:70歳まで運用すると思えば、さらに状況は変わるでしょう。そう簡単ではありませんが、月10万円を年平均5%の運用利回りで20年間積み立てていけば、70歳になった時の保有資産額は4110万3000円です。同じ条件で運用利回りを10%に設定したら、7593万6000円ですから、ここまで来れば老後の生活は楽勝です。

藤野:ただし、途中でやめてしまうと投資の効果は得られなくなりますから、とにかく続けることが大事です。


かなり引っかかります。

この内容はミスリードです。


年平均5%


私が気になったのは、「年平均5%」という点です。

リスク資産への投資なので確定的に5%ではなくて、平均的に5%ですね。ある年は20%、別の年はマイナス5%、さらに別の年は・・・

で、平均すると5%というわけです。

これは期待リターンが5%と同じことです。詳細は省きますが、投資の理論の前提として、期待値=平均値なので。

「平均すると5%」を「期待リターンが5%」として、モンテカルロシミュレーションで再現します。なお、リスク量(標準偏差、ボラティリティ)は15%とします。


結果はこうなります


論よりビジュアル。

投資期間10年で積立投資した場合です。

887_investment01.png

平均的に5%の利回り

だから、リターンも平均的に1552万円です。

そうなんですけど、実は、15%のリスクを想定したときの出来上がりの資産額は、500万円から4000万円まで広く分布します。


長期になると


投資期間20年で積立投資した場合です。

887_investment01.png

東洋経済の記事では4110万3000円。

ただ、分布を見ると上の図のようになります。

平均としては4110万円ですけど、分布を見ると幅広い分布でリスクがありますね。


ポジショントークが過ぎる


草食投資隊はコツコツ積立投資を推奨していて、それに沿ったトークになっています。

ただね、と。

草食投資隊はフィデューシャリー・デューティーとか投資家との対話に積極的だと思いますが、本当に顧客本位なのでしょうか。

投資にリスクは付き物です。

一般的な投資家はリスクが気になるのではないでしょうか。5%で運用できたら、10%で運用できたらもいいのですが、それに対してどのくらいのリスクを負って、将来どのくらいの分布になるのかまで考えたら・・・

半ば脅すかのような煽りで投資に仕向けるのは不誠実だと思うのです。


思うこと


過去にも同じようなことを書いているのですが、「毎月○万円×複利で年○%×投資期間○年=○○○○万円」という考えからは卒業しましょう。

リスク資産に投資する場合、複利で○%は確定的には実現しません。

長期で複利でウン万円を考えるのと同じくらい、リスクを想定してどんな分布になるのかを考えることが大事です。

本当の顧客本位とは、

リスクも語ることだと思います。

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